ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m
「才能のない人たちが芸術を追求するほど悲惨なことはない」
By サマセット・モーム
といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。
*究極のエコカー
レーシングカーこそが究極のエコカー。冗談抜きでワタクシはそう考えている。レーシングカーは車体もエンジンもレギュレーションで規制されている→その制限内で最大限の効率を生み出すことが勝利に直結するからである。燃料の燃焼効率を最大限引き出し、各機関の摩擦や機械的損失を可能な限り減らし、車体は可能な限り軽く高剛性に作り、空気抵抗を可能な限り減らし、その反面ダウンフォースを可能な限り増やし、エネルギーの伝達効率を引き上げるべしく新デバイスを開発する。燃料の持つエネルギーを、最大限クルマを走らせる力に変える。形は全く違えどとも、レーシングカーの方向性ってエコカーと全く同じなのである。
モータースポーツとエコロジーって相反してるように見えるけど、実は根が同じなのである。モータースポーツ経験のあるロンマニアの方ならお分かりかと思うが、モータースポーツドライビングの真髄って「ムダな事をしない」という事なのである。消耗品を大事に使って、安全には最大限配慮して、体力や身体負荷を最大限減らすドライビングをする。運転の上手い人、特にプロドライバーと呼ばれる人ほどコレが徹底しているのである。だからモータースポーツは大事なのである。モータースポーツやってりゃイヤでもカネがゴリゴリ減っていく→身を以ってカネのありがたさを実感するから、公道ではエコに徹するようになるのである(笑)
でも残念な事に、ニッポンじゃモータースポーツは広く一般に普及していないので、その事を知らない人が実に多いのである( ̄〜 ̄;)不便なのはイヤ&一台しか買えないから色々詰め込んだ多機能な方がいい。MTはイヤだからATにしろ。高いのはイヤだから安くしろ。ムダの無い運転技術?そんなんシラネ。全部エコ走行と相反してる事なのだが、残念ながらコレがニッポンの消費者のニーズなのである┐(´д`)┌ だから乗ってて楽しくない&リアルで乗ったら【実燃費がカタログ燃費の半分】とかいう歪んだガラパゴス的エコカーばかりが乱雑多造されるのである。ニッポンという特殊な土壌でしか通用しないんだから、そりゃ世界で売れるはずがないって話である。
*究極のケアレスミス
前置きが何時もの様に長くなってしまったが(笑)故に「ハイブリッドカーが何処までレースで有用か」という試みはワタクシとしても大いに気になるのである。故に【ル・マン24時間耐久レース】には大いに期待していたのであるが、何ちゅーか退屈なレースだったのである。序盤は面白かったのである。ワタクシが想像していた以上に【トヨタTS030ハイブリッド】が速く、絶対的王者アウディの牙城に食い込んでいたのである。でもル・マンは偶然やタナボタじゃ勝てない事はワタクシも十分存じているし、たとえ勝てなくても最大限やってくれればワタクシもトヨタを褒め称えたいと思っていたのである。が・・・
アレだけ激しくバトルしていればクラッシュは仕方ないのであるが、こーゆーのは正直萎えるのである(-_-;)完璧なまでに81号車のフェラーリF458のケアレスミスである。完全に後ろを見ていなかったのである。コーナリングに差し掛かる前にイン側をチェックするのが当たり前&ミラーにはインに突っ込んでくるトヨタの8号車が確実に映っていたはずなのだけど、あの81号車のドライバーはその注意を怠ったのである。ワタクシもサーキット走ってるから分かるが、アレはホントに萎える。アレやられると誰も信用できなくなって、気持ち良く走れないからである。
が、こんなのはまだ序の口である。実は81号車はアマチュアクラス→8号車のアレは天災に近いモンだからである。が、流石にコレは完璧に萎えるのである('A`)
残された希望であったトヨタの7号車と、今大会の目玉の一つである【日産デルタウィング】がコレで一瞬にして共倒れである。ワタクシが考え得る最悪のシナリオの、その斜め上を行かれたって感じである。詳しくは【こちら】にあるが、まとめるとこんな感じである:
- 「ぶつかったときに見えなかった」とか言うけど、カーブに差し掛かるずっと前からデルタウィングの姿は見えていたはず→レーサーならばコーナーで並ぶことぐらい想定できていたはず
- デルタウィングは速いクルマが自分をパスする事も踏まえて、インを一車幅分余計に開けていた→にも関わらず、その余計に開けた分まで7号車がアウトに流れて来てた
- 「前が渋滞だったので空いてるトコを探そうとした」との事→スプリントレースなら兎も角、コレは耐久レース。6時間目で焦って抜く必要性なんか全くない
よーするに、天災ではなく人災なのである。中嶋一貴がF1やスーパーGTでも散々やらかしてたのは知っていたが、ココでもまたやらかしたっちゅー話である┐( ̄ヘ ̄)┌ そりゃミハエル・クルムじゃなくても【Bakajimaツイート】したくなるワケである。その結果デルタウィングは即リタイヤで、7号車はコレが原因でダメージを負ってしまい、優勝戦線から離脱した挙句にリタイヤ。今年のル・マンの最大の楽しみが、中嶋一貴という男のせいで一瞬にしてダメになってしまったのであるo(`ω´*)oコレを人災と言わないなら、この世に人災は存在しないって話である。
*究極のリベンジ
あとの結果はもう事前の予想通り。日が暮れる前からアウディ無双状態に突入し、ワタクシも白熱したレースに期待するのをやめ、ひたすらメカについてのノウハウの吸収を始めたのである(笑)アウディ陣営からすれば、後は淡々と走ってれば勝利が勝手に転がり込んでくる(ル・マンじゃ”淡々と走る”のが難しいのだけど、ソレはこの際置いとく)んだから、走ってる方はともかく見てる方は退屈なのである。何ちゅーか、この切なさだけが残ったって感じである:
コレが日産公式で出されてるってトコに、ワタクシは日産の怒りを感じるのである。コレがどういうシーンなのか分からないロンマニアの方のために解説:
7号車にぶつけられて、デルタウィングはあの場から動けなくなった
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ル・マン特別ルールに「ピット外で動けなくなった場合、ドライバーが自分で修理してピットに戻らなきゃならない」てのがある
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つまりレースを続けるためには、あの時ステアリング握ってた本山哲選手が何とかしなきゃいけない
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メカニックは金網越しに口は出せるけど、決して手は出せない
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でもってデルタウィングは特別枠での出場だから、コレがル・マンで最初にして最後のレース
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そーゆー事情があるから、本山選手は何が何でも修理してピットに戻ろうとした
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クラッシュが酷過ぎてどうにもならないけど、ソレでも諦めきれずに必死で足掻く本山選手
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。・゚・(ノД`)・゚・。
というワケである。もしもワタクシが同じような境遇にあったら、やっぱ同じ事をするだろうと思うのである。ただ単純にリタイヤするのもイヤであるが、終わり方が不本意すぎるからである。足掻いてもダメなのは百も承知だけど、足掻かなきゃ気が済まない。その気持ちは良く分かるってモンである。
まぁ観てる方が何を言ったトコで覆水が盆に返るワケじゃないから、まぁコレぐらいにしておくとしよう。コレから先も【レースは続く】のであるし、日産公式でも【来年お互いにリベンジしましょう】と言ってるし、マツダの方も【来年はエンジンだけでも参戦する】と言っているので、ソレはソレで楽しみである。ハイブリッドもそう、デルタウィングもそう。何ちゅーか、クルマとモータースポーツのパラダイムシフトに立ち会っている。ワタクシはそんな希ガスのである。そのパラダイムシフトの先に何があるのか、コレから全員で楽しみながらやっていく。そういう未来に期待したいのである・・・・ただし中嶋一貴、テメーはダメだ(-_-#)といった今日この頃であった。