アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

NO MORE HEROES

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「美しい村など、初めからあったわけではない。美しく暮らそうという村人がいて、美しい村になるのである」

By 柳田國男


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*Theムラ社会

 ニッポンが抱える各種社会問題の根本にあるモンの1つに、ワタクシは「ニッポンがムラ社会のまま先進国になっちゃった事」を挙げる次第である。国よりもテメェが所属する集団を優先する集団主義的なムラ社会である事と、戦後焼け野原と化した世界最貧国の1つから世界第2位の経済大国まで上り詰めてしまった事。この2つがケミストリーを起こしてしまった事にあるのである。この2つが重なって、ニッポン人は「俺たちのやり方でも成功できるんだッ!欧米列強何するものぞッ!」っていう強烈な自信と、ソレと同時に経済以外の面では悉く欧米列強に遅れを取ってるという強烈なコンプレックス。この2つに加え地理的にも言語的にも孤立してるという事が、ニッポン人が「ニッポンの独自性に強く拘るor一方的に海外に追随する」って二極化する原因になってるんじゃないかと思うのである。


 未だ話題の絶えない件のドルジがドルジをブン殴った件も(笑)根本にはソレがあるんじゃないかと思うのである。法治よりもローカルルールを優先するムラ社会的な考え方に固執するのは、ソレが「古くから伝わるニッポンの伝統」だからであり、欧米由来の法治国家の概念を優先する事は連中にとって「上から目線な欧米文化に対するニッポン文化の敗北」であり、到底受け入れがたい事なのである:

この件に関する相撲協会の対応の何がダメかって、その行為が信頼回復にも繋がってなけりゃ、更なる相撲の発展にも繋がってないからである。多分連中は、現状維持の事しか考えていないのであろう。今までこの方法でソレなりに上手くやってきたのだから、この方法を続ければ今後もソレなりに続けていける。だから同じでい続けるために、異端者を切ってソレでお終いにする。当面数年は新弟子の確保が大変になるけど、その数年を耐え切ればまた元に戻る。お偉方のアタマん中にあるのは、多分そんな考えであろう┐( -"-)┌


*ペダルワークのテクノロジー

 聡いロンマニアの方なら何となく気付いたと思うのであるが、こういう考え方が蔓延してるのって相撲だけではないのである。政治、経済、教育、スポーツ、エンタメ等々、未だに「今までコレで上手くやってきたんだから、今後も上手く行く筈ッ!」って意固地になって二進も三進も行かなくなって、最後はその間に大幅に進歩した海外勢に美味しいトコを持っていかれるって感じにである。まぁソレは以前から何度も話してる事なので、今回は省略である:

アクセルはバカでも踏めるけど、ブレーキは賢い人にしか使いこなせない。モタスポにおけるペダルワークの金言であり、長年モタスポやってるワタクシもホントその通りだと思うのである。サーキットでの速さってのは平均速度で決まるモンであり、平均速度を上げるにはコーナリングを高い速度で行う必要があるし、高い速度でコーナリングするためのキモはブレーキングにあるからである。つまり速く走れるか否かってのは、半分以上ブレーキングで決まるのである。ペダルワークは奥深いけど、中でもブレーキは別格なのである。


毎年この時期に発行されるこのムックであるが、今年もやっぱ出てきたのである。このシリーズの何が面白いのか色々考えた結果、ワタクシの出した答えは「F1やWECやスーパーGTとかのメジャーなレースマシンだけでなく、他じゃ何処も扱わないようなレースのマシン解説もやってる事」といったトコである。メジャー系のレースの技術は重箱突きになってきて新鮮味が余り無いのであるが。ダカールラリーとかパイクスピークとか、その辺りのマシンってのは今でも新鮮味があって面白いのである。やっぱワタクシはレースではなく、マシンの方が好きなんだなと改めて実感する次第である。


*外国人をやっつけろ?!

 話は変わって、上記の「ニッポン社会はムラ社会云々」関係で【グレイシー親子がRIZIN参戦を辞退した理由】の中でヒクソン・グレイシーが「結局お前たち(ニッポン人)が見たいのは、俺たちグレイシーの人間が倒されるところなんだろ?」って言ってるのであるが、その事が上記のソレとダブってしまったって話である。終戦後に力道山が外国人レスラーを倒しまくる姿にニッポン中が湧き上がったというが、未だにそのメンタリティーが続いてる事をヒクソンは見抜いていたのである。ソレと同じような事を、ワタクシは大谷翔平アナハイム・エンゼルス入団の時に思ってしまったのに今気付かされたのである:

こう言っちゃなんだが、ニッポンのやきうファンの多くは、MLBMLBの試合に興味が無いんじゃないかと思うのである。ニッポンのやきうファンが観たいのは「大谷がMLBのバッターからアウトを取りまくる&MLBのピッチャーから安打を打ちまくる事」であり、エンゼルスの他の選手や対戦相手の選手、及びMLBの事なんてどうでもよくて、とにかく「ニッポン人が上から目線なアメ公(及び他国の外国人選手)をやっつけるのを見てスカッとしたい」がメインになってしまってる人が殆どなんじゃないかとも思っちゃうのである( ̄〜 ̄)打つ方ならホセ・アルトゥーベやアーロン・ジャッジやミゲル・カブレラ、投げる方ならコーリー・クルーバーやクリス・セールやジャスティン・バーランダー、そういう凄い選手の事は詳しく知らないだろうし、詳しく知りたくもないんじゃないかとも思うのである。


 ただソレだからといって、大谷の試合を放送することに意味がないとはワタクシは思わんのである。確かにMLBの面白さに目覚める人なんて、何百人のにわかファンの中で一人か二人ぐらいであろう。が、大谷がエンゼルスに行かなかったら、その一人か二人すらも居なかったのだから、やっぱ限定的とはいえ放送する価値は十分あるとワタクシは思うのである:

あと大谷云々で思い出したのが【大谷も流出…日本は米への人材供給源でいいのか】って記事であるが、ソコに「ニッポンのプロ野球人にはニッポン球界に留まり、ここを世界最高の場にしようという考えはないのだろうか」って行があるが、到底ムリな話である┐(´д`)┌MLBの何が優れてるって、選手単独の能力だけでなく、組織やインフラも凄いからである。ちゃんとした権限と権威のあるコミッショナー、ココぞという時にはシッカリ足並みが揃う30球団、合理的なドラフト制度やFAやトレードのシステム、共存共栄を可能とする再分配システム等々。優れた選手が幾ら揃ってたって、企業の宣伝媒体でしかない球団と官僚の天下り先でしかないコミッショナーでは・・・限が無いのでコレぐらいにしておこうと思う今日この頃であった。