アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

PTSD?

 ワタクシは人と話すのが苦手である。物心ついた頃から人とあまり話さなかったしいつも孤立していた。ワタクシは別にそれで寂しい思いをしたことは無いし、むしろ楽ですらあった。ドロドロした感情の縺れに陥ることもないし、時間を拘束されることもないし、後で分かったことなのだが傷つかない。たとえ友達が少ない、または出来なくてもテストで高得点取れば誰も文句は言わないし、受験さえ合格すれば全てがOKである。少なくとも、大学を出るまではそうだった、と思う。

 社会に出てきて一番思ったことは、人付き合いが如何に大事かと言うことである。オタクで孤独でも結果さえ出せばいい、仕事さえこなせればいい。ワタクシはそう信じて疑わなかった、この真性過眠症(ナルコレプシーの亜種)という病気であると気付くまでは。この病気にかかって、結果はおろか仕事すら上手くこなすのが困難になってしまったワタクシに残されたものは「オタク」と「孤独」だけであった。

 こうして社会人になってから病気と不運と孤独に翻弄され続け、気が付けば対人恐怖症に陥っていた:
①人付き合いのやり方が分からない。
②周りの空気が読めず、余計な事、場に合わない事などを言ってしまう。
③まずいと思って慎むと、今度は何も言えなくなってしまい、益々人付き合いが分からなくなる。
①〜③を延々と繰り返すと、その内人と話すのも、人から話されるのも怖くなってくる。何かを言って人から悪く思われたらどうしよう、さっき人から言われたあの言葉、実は自分を否定するものではないか、などと考えてしまい居ても立ってもいられなくなる。そして最後には己を社会や他人から完全に切り離す、今流行の”引き篭もり”である。