アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

BLOODLETTING

故郷の知り合いから電話があった。普段、何も無ければ電話しない人が、である。そんでもって中身は両親が今回の一連の事件でピーチクパーチク行っていることの焼き直しである。もう色々と大変である、親父は相変わらず人の話を一切聞かず、自分の言いたい事を言ってお終い。お袋はといえば、「頑張れ」とか「一生懸命やれ」とか「皆と仲良くしろ」とか分かり切った精神論を延々と続けるばかり、具体的な方法は何一つ言わない。両親に向かって言うのも何だが、ハッキリ言ってどっちもウザい。

 どっちも「ワタクシの為」を思っているのは分かるのだが、相手に良かれと思ってやることが必ずしも相手に喜ばれるとは限らない。薄情と言われればそこまでだが、どんなに高価でどんなに心が籠っていても相手が喜ばなかったら意味が無い、とワタクシは考えてしまう。具体的なプロトコルを伴わない精神論、根性論はもう飽きた。そんなモンは本屋に行けばあっちこっちにゴロゴロ転がっている。誰が語ろうと同じことだ、ウザったいたらありゃしない。

 まぁワタクシもワタクシで「社会が世間がワタクシに合わないんだったら、ワタクシはワタクシで好きにやらせてもらう」見たいな考え方の持ち主である。社会?世間?風習?常識?何時、何処の、誰が決めたのか分からない得体の知れない物に何で身を粉にしてまで従わなきゃいかんのだ。何故そのようなものがあるのか、それを考えている人がどれだけいるのだろうか。

 そこを根本的に煮詰める所から社会のあり方、自分のあり方、その両者の関係が決まるモンなのに「それが決まりだから」「決まりを守らないと仲間外れにされるから」「人間一人では生きていけないから」といつの間にか"既定のモノ"に従うことを教えられる。まるでフランツ・カフカの「審判」の世界である。けど、こんな事言っても「理屈っぽい」の一言で片付けられて終わりなんだろうな〜〜〜とちょっと諦念の入っている今日この頃であった