アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

OBSESSED BY CRUELTY

「おい、お前一体何考えているんだ?!」
「ワタクシとしましては、こうした方が良いと思ってオーダー出しました」
「もっと空気を読め、空気を」

・・・・・「空気って何ですか?」聞こうと思ったが止めた、聞いた所で「もういい!自分でやるから、お前は他の仕事やってろ!!」と言われるのがオチである。

 日本特有のムラ社会的縦割り構造、などと言う三流サヨクが好んで使いそうな常套文句は使わない。何故なら、こういうのは日本だけではないからである。韓国もそう、台湾もそう、中国もそう。以心伝心、阿吽の呼吸を良しとし、アウトサイダーに冷たいのは日本に限らず、アジア全体に多かれ少なかれあることである。ただ程度の差が違うだけの話である。

 欧州連合(EU)が出来た時、ワタクシはこう思ったものだ、「アジアにも亜細亜連合(名づけてAU、決してケータイのメーカーではない/笑)は出来ないものか」と。ノンビザで、同じ通貨で、アジアを自由に動いて仕事や遊びを精一杯楽しむ。何らかんら言っても、ワタクシはやっぱりアジア人である。西洋思想や西洋医学の洗礼は受け、英語を国際語と信じて止まないワタクシたが、どーも欧米で暮らしたいという気が起きないのである。アジアで生まれて、アジアで育って、アジアで死ぬ。それがワタクシの運命のような気がしてならない。

 で、亜細亜連合(AU)の可能性について考える事30分、結論は「ワタクシが生きている間は無理だな、ウン(-_-;)」というものであった。理由は簡単である、アジアが"ムラ社会"を卒業できるようになるまで、どー考えてもあと50年はかかりそうだからである。21世紀になってもアジア諸国は何処も「オラが村、オラが利益」の事しか考えていない。

 勿論、ヨーロッパにだって国それぞれの特徴や文化があるだろう。それにヨーロッパはつい数十年前までテメェ達で殺しあっていた仲である。でも欧州連合(EU)まで持ち込めたのは、全ての国の根底に同じモノを抱えているからである。"白色人種""民主主義""キリスト教"の三本柱である。これがあるから、国境や文化を越えても連合が組めたのであろう。

 で、アジアにはそれがあるのか?と考えたら答えは「無い」である。人種はバラバラ、宗教もバラバラ、政治体制もバラバラ、おまけに国ごとの貧富の差がヨーロッパのそれを遥かに上回っていて、たかが島一つめぐってデモが起きるは海峡にミサイルが飛び交うわで大騒ぎ。これじゃぁ連合など組めるはずが無い。

 んで、アジア諸国の中で、唯一共有できるものは何か、とワタクシは考えた。答えは"民主主義"と出た。民主主義といっても、一昔前のイラクインドネシアや現在の北朝鮮のような名ばかりのパチモンではなく、現在の台湾や韓国や日本などで実践されているモノホンの民主主義である。ところがワタクシの知っている限り、この民主主義ってやつは腹が満たされないと普及しないのである。腹が減っては民主主義は育たないのである。

 ワタクシの結論はこうである「亜細亜連合(AU)ができるとしたら、全てのアジア諸国が貧困から脱出し、モノホンの民主主義を獲得したその時」というものである。ところがどっこい、日本のお隣さんには21世紀になってもスターリン主義的個人崇拝を貫く国と、21世紀になっても共産党一党支配を続けている国があって、遠くを見ればアメリカによれば民主化が進むはずの2つの国は未だにゴタゴタしたまんま。

 こうした国々が経済成長を果たし、モノホンの民主主義を獲得して、亜細亜連合(AU)を目指しての歩み寄りを始める頃には、恐らくワタクシはもうこの世の人では無いであろう。こうして遥かなるアジアの繁栄を夢見ながら、他のアジア諸国に行くのに一々ビザを取らなきゃならない面倒くささという現実に直面する今日この頃であった。