アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

DCLXVI-TO RIDE,SHOOT STRAIGHT AND SPEAK THE TRUTH!

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「人間は心の底ではまったく死を嫌悪していない。死ぬのを楽しみにさえしている。消えてゆくランプに苦しみはないのである」

By フランソワ・ルネ・ド・シャトーブリアン


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


 さて、今回は前回の"師匠"との会話の続きである。どうもワタクシの脳ミソと口の関係はエンジンとターボチャージャーのそれと一緒で、エンジンが回り始めてから暫くしてから加速が始まると言った感じである。"師匠"はそこんトコ御自身のクルマ同様NAであるから羨ましい限りである(笑)で、今回はやっと口(手?キーボード?)が脳ミソに追いついたのでそれを書きたいと思う。"分家"の方でちょっとディベってしまったので、ワタクシ自身ちょっと後味の悪いものが残ったので、この"本家"にまとめてみたいと思う。


 "師匠"がクルマを通してワタクシに伝えたかった事は、実はインプレッサWRX-STiの謳い文句と全く同じだったりするのである(笑)つまり:


「走りを極めれば安全になる」


この一言に尽きるのである。


 前者のそれ、つまりインプレッサWRX-STiの謳い文句は「マシンの構造を徹底して洗礼させれば"走る、曲がる、止まる"能力が格段と上がり、その結果安全になる」というものである。後者のそれ、つまり"師匠"の教えは「自分自身の"走る、曲がる、止まる"能力を際限無く向上させれば、常時・非常時に関わらずクルマを自在にコントロールする事が可能となり、その結果安全となる」というものである。"師匠"のドラテクは別に公道に限定したわけではなく、サーキット走行にも密接に相互リンクされているのである。サーキットでしか体験できない限界領域でのコントロール、非常事態への対処法、他の走行車との駆け引きなどはそのまんま公道でも通用するのである。


 考えてみれば単純な事である。公道でゆっくりやって出来ない事が、サーキットで瞬時&高速に出来るワケが無いのである。スポーツをやっている、またはスポーツ経験のあるロンマニアの方々には説明の必要は無いと思われるが、練習でやった事を試合で100%出すなんていう事は殆ど奇跡に近いモンなのである。あとスポーツ絡みでもう一つよく言われるのが、故障の少ない選手というものは大概練習熱心な選手でもあるという事でもある。練習を多く積み重ねていくと、それこそ非常時も含めたシチュエーションを経験する機会が増えると言う事であるから、その分それに対応する能力を身に付ける機会も増える→試合でそうしたシチュエーションになっても対応できる、というワケである。


 そうすると、サーキットへ行かずとも公道で出来る事はこんなにあったりするのである:

  1. 前のクルマとの車間を常に一定にアクセル操作をする
  2. 信号で止まる時も、余計なショックは加えず、尚且つ短い時間で停止線にピッタリ狙って止める。
  3. 減速する時は可能な限りヒール&トゥエンジンブレーキを使う。
  4. ドライビングポジション&ステアリングワークは常にレースのそれ。クロスハンドルなんてもってのほか。
  5. クルマがアイドリングなどで止まっている間は、N→1→2→3→4→5→6→5→4→3→2→1→Nと出来るだけ速く正確に反復練習する。
  6. 常に前後左右のクルマの動きを見て、予測し、それに合わせた行動をとる。
  7. 曲がる時はステアリングの蛇角は最小限&戻りは速く。

と言ったところである。


 慣れてくると、こんな事まで出来るようになってくる(ワタクシはまだまだ出来ないが^_^;)

  1. 渋滞をブレーキを踏まずに通り抜ける。前3〜4台目のクルマの動きから自分クルマの動きを予測し、エンジンブレーキクラッチだけで渋滞区間を通過する。
  2. コーナーに入ったら、例えどんなコーナーであっても突入速度とクリッピングポイントを計算に入れて、勿論最小の蛇角を取って、対向路線に出ない限りでアウト・イン・アウトで抜ける。
  3. 手や足だけでなく、身体でクルマを感じ取る。バケットシートなんかにしているとクルマの撓み、軋みがシートから伝わってくるので、補強の目安となる。

とまぁ、数えたら限が無いのでこれぐらいにしておこう。


 というワケで、ワタクシは11月頃のデビューに備えてハード面は勿論の事、ソフト面でも磨きをかけてゆくつもりである。「身体がクルマに付いていかない?」付いて行く様になるまで乗りまくるだけである。「クルマに乗る時間が無い?」無ければ余計な時間削って作ればいいのである。「それでもホントに時間が無い?」仕事の休憩時間にでも空ドラポジを取りシャドードライビングをすればよいのである。これはワタクシの個人的な考えではあるが"言い訳"というシロモノは、他人にではなく自分に向けて言っている物であるとワタクシは思う。


 とはいっても、世の中"師匠"やワタクシのような「たかがクルマ」にすら妥協出来ない性質の人間の方が極少数なのではないであろうかと常々思うのである。ハッキリ言って"妥協"してしまえば楽な話である。腹一杯になりたかったら別に満漢全席やフランス料理のフルコースである必要なんて無い。マクドナルドでハンバーガーを5個買えば400円で腹八分どころか十二分まで膨らむのである。「何かを徹底的に突き詰めるって楽しい^-^」って思う一方「随分損な生き方しているなワタクシは-_-;」としみじみ思う今日この頃であった。