アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

THOSE ONCE LOYAL

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「孤独は良いものだということを我々は認めざるを得ない。しかし、孤独は良いものだと話し合うことの出来る相手を持つことは一つの喜びである」

By オノレ・ド・バルザック


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


 やっと帰ってきたのである、もうクタクタである。今回同行した技師さんのM氏が箱根未経験とあって、急遽そこに決定したのである。AM7.00に出発して、間に昼食や小休止を挟みながら、箱根ターンパイク下り→十国峠下り→熱海峠→伊豆スカイライン十国峠上り→箱根ターンパイク上りと僅か1日で峠を6つも走ったのである。正確に言えば、峠から峠への間も殆ど峠道だったから、一体どれぐらい峠を走ったのか分からなくなるぐらいである。走行距離はほんの200kmぐらいしかないが、その半分以上が峠道である。ハッキリ言って、ただ高速道路を400km走るよりも疲れるのである。


 その間、お互いのクルマを色々と見せ合ったモンである。今回同行した技師のMさんのGT-R(BNR32)はワタクシのそれと同じ吸排気&ロム書き換えのライトチューン仕様。馬力は320psほどでブーストは最大0.8、パワーバンドが4000rpm〜8000rpm。内装、外装にに関してはノーマルで、あとは車高長とブレーキパッドを換えてあるだけ。「最高速仕様なのですか?」とワタクシが聞いた所「首都高がメインなものですから」という返事。ビンゴである、如何にもRB26DETTらしい設定である。


 あとRB26DETTについて面白い話を2つほど。1つ目は、RB26DETTの「ノーマルの2倍のパワーにも耐えられる」という謳い文句は、実はエンジン本体だけだったりするのである。マジで600psオーバーを狙うんだったらガワ以外の部品をほぼ全部交換して初めて可能だとの事である。2つ目は、あれだけ名の知れたRB26DETTBNR34を最後に姿を消したのは「もっと優秀なエンジンが出来たから」だそうである。そのエンジンとはズバリVQ35、フェアレディZや現行スカイラインに積まれているヤツである。VQ35は全長が短く小さく出来て、しかも意外な事に強度もRB26DETTといい勝負だとの事である。


 つまりRB26DETTはVQ35の登場により、その欠点(長くて重たい)を補うだけの利点が無くなってしまったから、消えるべしくして消えたというワケである。で、M氏が日産の人と話をしたところ、新型GT-RもこのVQエンジンと(V型エンジンだから必然的に)ツインターボを積む事は間違いないとの事であるが、エンジンも含めて全体的にまだ試行錯誤が続いているらしくて、中々発表の目処が立たないとの事である。で、いきなり世知辛い話になるのだが「何でシルビアを復活させないのですか?」と聞いたら「売れないから」だそうである。


 現在の国産車のラインナップを見てみると、AE86やS13みたいに排気量は少ないけどスポーツ走行の出来るクルマが無いのである。ワタクシもM氏も意見は同じで、もしも「スポーツカーに乗りたいのですが、どんなクルマが良いですか?」と聞かれたら、やはり2000cc以下の価格の安い2駆NA車(出来ればセダンかクーペ)を勧めるであろう。初めてスポーツ走行をする人にとっては、限界が来やすいこのテのクルマの方が色々と学べる事が多いのである。んでもって、ぶつけた時のダメージも小さい(笑)ところが現在、国産で2000cc以下のクルマが無いのである。一番小さくても2000ccで、それがいきなりインプとランエボだったりするのである(爆)


 話を元に戻すとしよう(笑)十国峠といえば、そう。忘れようにも忘れられない【あの日】の苦い思い出である。ハッキリ言うと通りたくなかったのだが、自らのトラウマ克服のためにも敢えて通る事にしたのである。幸いにも本日はこれでもかと言わんばかりの真夏日。路面はシッカリと熱されていて、タイヤも丁度良く粘り気が出ている。「コレなら絶対行ける!」と確信して、意を決して再度同コーナーを攻める。コーナーは【あの日】と全く同じで、今でもありありと光景がフラッシュバックしてくるのである。突入前にシッカリと減速し、グリップを確実に感じつつ、アクセルワークとステアリング操作を上手く利用しDCCDで前輪にトラクションを掛けるようにしてコーナーを脱出!遂にやったのである・゚・(つД`;)・゚・


 それ以降は順調に攻めて行って、上記のコースを一通り走り抜けたのである。行く前に一通りブレーキフルードパワステフルードを交換しておいて正解だったみたいである。ステアリングもキビキビ入って、ブレーキもフェードせず確実に止まってくれる。その中でもやはり今回一番良く働いてくれたのは他ならぬタイヤであろう。【ポテンザRE−01R】なのだが、今回違うタイヤを履いてきたM氏のそれと比べても明らかに触った感覚が違うのである。タイヤが良い感じで柔らかくなっていて、多少強引に突っ込んでも全然タイヤが滑らないのである。


 で、ワタクシの全体的な感想であるが、「まだクルマに乗られている」と言うのが昔以上に分かるのである。コーナー突入に際してアンダーステアが出そうになった時、アクセルを抜いていないにも関わらず荷重が後ろへ移動し、またコーナーを抜けてステアリングを元に戻した時もアクセルを踏んでいないにも関わらず荷重が前へと移動する。DCCDである、コレが自動的に荷重をコントロールして、コーナーを曲げているのである。それに加えグリップ力が高くタレないタイヤ、ガツンと効いてフェードしないキャリパー、急激なヨー運動を加えてもロールしない車高長etc・・・まだ当分"彼女"には頭が上がらない事を痛烈に感じた今日この頃であった。