アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

WAR PROFITEERING IS KILLING US ALL

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「美は細部に宿る」

By ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


 もう五月蝿い事五月蝿い事。前日の話なのだが、藤沢バイパスにて「旧型バイク萌え〜〜」な方々がツーリングをしていたのである。いい年こいたオッサン達が何をどー考えても違法カスタムしたとしか思えない単車に乗って、要らんエキゾースト音を撒き散らしながら40台〜50台とゾロゾロ並んで走っているのである。んでもって、目的地に着いたら着いたで「天ちゃん萌え〜〜」な方々のクルマが20台ぐらい列を作って北朝鮮の核実験に対して抗議していたのである。連中は萌え上がっているのかも知れないが、ワタクシはもう激萎えである。

 
 正しいとか正しくないとか、カッコ良いとかカッコ悪いとかそういう話ではなく、それ以前に「イタい」のである。政治的信条や社会に対する反抗心を示したいのは解からんでもないのだが、見た人々がそれに感動して惹かれる様な事をやれと言いたいのである。ピカソの「ゲルニカ」まではいかないものの、せめてザ・クラッシュレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンみたいにカッコ良くやって欲しいモンである。それがどんなに真実を帯びた主張であっても、イタいやり方でやってしまったら誰も聞いてくれないし見てもくれないのである。解かりやすく言い換えれば、髪ボサボサのヨレヨレTシャツ来た小太りのアキバ系"nerd"がキリストの愛を語っても誰も注目しないのと一緒である(笑)


 そー言えば"感動"で思い出したのだが、最近久しく映画を見ていない。「ワイルドスピード×3」見に行こうと思ったら未だに行っていないままである。で、今回は"愛"と"感動"についてワタクシが一番印象に残っている作品を紹介するとしよう:

 ご存知、ミュージカル映画の定番「サウンド・オブ・ミュージック」である。定番過ぎて芸が無いといえばそこまでだが、良いモンは良いのである。実はこの作品、ワタクシのお袋が子供の時に見ていた作品で、それを見て成長した大人がその子供に(つまりワタクシ)にも「見ろ」と言って語り継いだ作品でもある。残念ながら、ワタクシには今語り継ぐ次の世代が居ないのであるが(笑)今まで見た映画の中で、これほど分かりやすくて楽しくて、しかも映画全編に至って"愛"が詰まっている映画は無いとワタクシは思っている。


 同僚にバカにされながらも「歌が好きで好きでたまらないんだからしょうがない」って開き直る主人公の見習い修道女マリア。妻を亡くしてから大切な人を失う事を恐れ、7人の子供達との間に距離を置くようになったトラップ海軍大佐。父親に振り向いて欲しいがため、イタズラをしまくってやって来る家庭教師を何人も辞めさせた子供達。イタズラにめげずに持ち前の明るさと歌を持って、新しい家庭教師として必死に頑張るマリア。その心意気に打たれて心を許し歌い始める子供達。マリアを解雇しようとした大佐に対し必死の思いで懇願する子供達。マリアと子供達の心意気に打たれて、妻を亡くして以来止めていた歌を再び歌い始める大佐。そしてそれを機に惹かれ合い、そして結ばれるマリアと大佐。


 やがてナチス・ドイツが故郷オーストリアに進駐し、第三帝国海軍からの出頭を命じられ、本来自分が命懸けで守るべき祖国への想いと家族への想いの間でジレンマに陥り、家族のために亡命の道を選んだ大佐。そして亡命前夜の歌のコンクールにて、これからナチス・ドイツに蹂躙され戦火に巻き込まれるであろう祖国への気持ちを名曲「エーデルワイス」に乗せて涙を詰まらせながら歌う大佐とその家族。巻き込まれ上等でナチス・ドイツから大佐とその家族を匿う修道院の面々。そして亡命・・・・・とまぁ、冒頭からエンディングまで"愛"で満たされた作品なのである。家族愛、男女愛、青春愛、祖国愛etc、"愛"が付くモンは全てこの映画に入っていると言っても過言ではないのである。


 もう1作品:

ライフ・イズ・ビューティフル [DVD]

ライフ・イズ・ビューティフル [DVD]

 上記の「サウンド・オブ・ミュージック」が"愛"のオススメ映画であるなら、こっちの「ライフ・イズ・ビューティフル」は"感動"のオススメ映画である。主人公のユダヤ系イタリア人グイドは何と"口八丁なただの人"なのである。その純粋な人柄と情熱的なトークで白人女性ドーラと結婚、息子をもうけて家族3人で幸せに暮らしていたのだが、第2次世界大戦勃発と共にユダヤ人のグイドとその息子は強制収容所送り。そして「一人堀の外で生きていくぐらいなら、最愛の夫と息子のいる堀の中を選ぶ」と言って一緒に強制収容所に行ったドーラ。そしてここからがこの映画の真骨頂。主人公グイドの「最高にカッコ良い生き様」が見れるのである。


 恐怖と絶望が支配する強制収容所で、トーク以外何の取り得も無いグイドはその少ない力を用いて家族のために身体を張るのである。自身は死にそうなぐらい辛い思いをしていても、ても息子の前では最高の笑顔を見せて接するグイド。息子を喜ばすために収容所送りを「ゲーム」と偽り、自分がどうなろうともありとあらゆる手段を講じて息子を騙し続けるグイド。やがて連合軍が進行してきてメチャクチャになってしまう収容所から妻や息子を救い出そうとして必死に駆け回るグイド。ここで話すのは無粋なので内緒にしておくが、映画で感動した事の無いワタクシですら涙が出てしまったクライマックス。


 カッコ良いのである。ただトークだけが取り得の優男が最高にカッコ良いのである。愛する者のために命を懸ける男が如何にカッコ良いかを見せてくれる作品なのである。ハッキリ言ってしまえば、ここ最近のハリウッドで主流を占める過去作品のリメイク物や人気作品のパート2を見るぐらいだったら、DVDで「サウンド・オブ・ミュージック」と「ライフ・イズ・ビューティフル」を見ろと言いたいほどである。にしても、最近マジで映画館へ行っていない。実は最後に見た映画が「ハウルの動く城」だったりする(笑)そろそろ「ワイルドスピード×3」を見に行きたいと思うのだが、ワタクシ好みの萌え要素が少ないため(爆)二の足を踏んでしまう今日この頃であった。