アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

LOUDER THAN LOVE

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「どんな用件でも午前4時に呼び出せるのが、親友です」

By マレーネ・ディートリッヒ


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


 「ドント・テル、ドント・アスク」である。ついさっきコンビニで立ち読みしている時に目に入った言葉である。米軍用語の1つなのだそうである。以前日記で"師匠"から米軍の方々が何故お互いを「仲間」と呼び合えるかを話したと思うのであるが、簡単にもう一度説明しておこう。彼らはブートキャンプでの猛訓練や、イラクやアフガンなどでの戦闘など極限状態の経験を共有しあう事により「同じ地獄を生き抜いたコイツを生かしてやりたい」という強い気持ちが互いに背中を預け合う友情へと発展するのであるが、その気持ちが強くなり過ぎると「友情」から更にエスカレートして「愛情」になってしまう事が少なくないらしく、しかもそーゆー人達に限って優秀だったりする場合が多かったりするらしいのである。


 んで、勿論そーゆー人達は多かれ少なかれその事を気にしているのと、米軍首脳としても優秀な人材の流出は防ぎたいという事もあって生まれたのが上記の「ドント・テル、ドント・アスク」の原則らしいのである。分かりやすく言えば、自分の仲間がそのテの人であっても、その事について「聞かない」。そしてそのテの人達はそうでない仲間に、その事について「言わない」。つまり、愛情の方向性云々以前に「アイツは自分と同じ米軍兵士」という意識を重視する原則なのである。なるほど、如何にもアメリカらしい考え方だとワタクシも頷いたモンである。一番大事なのは、ソイツが「背中を預けるに値する」という事なのであるから、女好きであろうが男好きであろうが本来はどーでもいい話だとワタクシも思うのである。


 で、それで気付いた事があるのである。ギークであれナードであれ、ワタクシ達"オタク"の置かれている環境も似たようなモンである。で、何故敬遠されてしまうのかと考察してみると「聞かれたから」ではない場合の方が多いのでは、と思うのである。中にはあからさまにそのテのグッズを身に付けていて、如何にも「貴方ってアキバとか良く行くんですか」って聞いて欲しそうなカッコしているヤツもいるのだが(笑)実はフツーのカッコしているヤツの方が断然多いと思うのである。中には「オタクは嫌われる(ホントはナードだから嫌われるのだが、ナード故その事に気付いていない)」という事を知っていて、ライヴでは徹底してオタク色を隠すヤツも少なくない。んで、そーゆーヤツに限ってバーチャルやオフ会などでは別人かと思うぐらいハツラツとしていたりする。


 で、もう1つの理由が「言っているから」ではないかと思うのである。何でそう思うかといえば、ワタクシがソレやっていたからだったりする(笑)あの時のワタクシとしては「そーだよ、ワタクシはオタクだよ。隠す必要もないし、隠す気もない。理解できないならサヨウナラ」と考えたりしたのである。が、実はコレが落とし穴だったと思うのである。こーゆー方法を取ると理解出来ない人がサヨウナラするのは言うまでも無く「あぁ、コイツは全然言わなくても良い事をベラベラ喋るヤツなんだ。そうやって自分に注目を引き寄せようとしているつもりだろうけど、そんな事しても一時的な効果しかないのにねぇ」という具合に、理解出来る人もサヨウナラしてしまうからであると思うのである。


 だからオタク(この場合、ギークもナードも同様)に関しても「ドント・テル、ドント・アスク」だと思うのである。相手がアニメオタクでもガンダムオタクでもクルマオタクでもモー娘オタクでも、その事については「聞かない」。自分がオタクであっても、その事については「言わない」。とは言っても「聞きたい」と思うのが非オタクの方々の心情であり「言いたい」と思うのがオタクの心情であるのは重々承知の上だが(笑)「それじゃぁ、何時なら聞いてよくて、何時なら言っていいんだ」と問われたら「互いにその事について聞いたり語ったりして、たとえ意見が一致する事がなくとも、それで関係が壊れない事が分かるまで」である。


 ギークとナードの大きな違いの1つが、この「言うタイミング」が分かっているかいないかの違いだと思うのである。ギークの場合は言って良い相手とシチュエーションを見抜けるから、オタクだと分かっても「あの人オタク入ってるけど、でもそれ以外は本当に普通だよね〜〜」ってな感じでオタクが肯定的に捉えられるのである。が、これがナードだと時と場所構わず言いまくるか、あるいは気持ち悪いぐらいに沈黙していても基本ナードだから、オタクだと分かった途端「あ〜あ、言っちゃったよこの人。前からそんな匂いがしていたけどね〜〜。これだからオタクってヤツは・・・」って否定的な捉え方をされてしまう。と、偉そうな事言うワタクシ自身も「言うタイミング」がズレっぱなしで、ナード臭を消すのに四苦八苦している今日この頃であった。