アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

EYE OF THE HURRICANE

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「人々は驚くことを愛する。そしてこれこそ科学の種である」

By ラルフ・ウォルドー・エマーソン


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


 何ちゅーか、地球が暑いのである。あ、別に抽象的な意味は無く、書いて字の如く捉えて頂いて結構である(笑)結局、この前の冬は湘南に一粒の雪も降らなかったし、色んな事でドタバタしていたら何時の間にか真夏になって、どのメディアでも口をそろえて「猛暑」である。いくら「だいじょ〜ぶ( ̄◇ ̄)地球温暖化だとかオゾン層の減少とか言っているけど、少なくともワタクシが生きてる間にゃ何も起こらんだろうから無問題ヽ(^o^)ノ」と言いたかったのであるが(爆)流石に余りの暑さにコンデンサーが全く機能せず、渋滞の東名高速で「窓を閉めれば(温度が上がって)地獄、窓を開けても(排気ガスがモロに入ってくるため)地獄」を経験すると、やっぱ環境問題を意識せざるを得ないのである(核爆)


 んで、最近マイブームになっているのがこのシリーズ:

Motor Fan Illustrated vol.5

Motor Fan Illustrated vol.5

やっぱ難しい本である。海外ドラマの「ER」宜しく専門用語が説明も無しにポンポン出てくる。イラスト本とは言っても「読み手が自動車工学を分かっている」って前提の下で書かれているから、イラストの説明も特集記事もハッキリ言って全然分からんのである(^_^;)まぁ、ソコがワタクシのツボを思いっきり突くトコなのであるが(笑)


 どちらかと言うと「乗る側」ではなくて「作る側」の視点で書かれているのである。クルマ雑誌によくある「レブリミットまで回す爽快感」だとか「クルマとの一体感」とかいった表現は殆ど無く、ただひたすら国内外各社のクルマの構造(号によって細かく見る部分が違う)について各社のソレを述べて、力学的、工学的な利点や欠点などをインプレするだけ&オマケ程度のクルマ業界ニュースとメーカーの広告といったニッチぶりである。読者コーナーも無けりゃ4コママンガも無い、萌えキャラなんてもってのほかである(笑)が、その分内容は非常に充実していて、ポルシェの純正LSDについての話とか、F1マシンは勿論プロトタイプカーのステアリング機構とか、果てには大型トラックや大型バスの最新技術といった、おそらく業界人しか興味の無いような部分まで記事にしていたりするのである。


 自慢じゃないが、ワタクシの専門は医学→物理や化学は高卒レベルであるからして、解読は困難に困難を極めていたりする(笑)が、辛うじて分かる点だけは幾つかある:

  1. 基本的にクルマの総論的な技術ってヤツは概ね完成されたモンである。よーするに「レシプロ式4サイクルのガソリンエンジン(またはディーゼル)で衝撃緩衝機能(サスペンションなど)の付いた車輪を回して動かす」って部分は100年以上も前から基礎的な部分は全然変わっていない。
  2. 各社の違いはと言うと、各論的な部分。つまり構造的な部分の改善ややレイアウトの工夫、それにエネルギー伝達効率の向上や安全性能の高さといった部分で、ホントに革新的、革命的な技術って実は少ない。
  3. クルマ作りのキモは「如何に各論を煮詰めるか」である事。エンジンはより小さくより軽くより強く、シャシーはより高剛性より軽量に、トランスミッションはよりスムーズにより小さく、サスペンションはより乗り心地が良くより伝達力が高く、といった具合に世界中の自動車メーカーが思いっきりチマチマした部分で鎬を削っていたりする。
  4. その上、それぞれのメーカー毎に「コストパフォーマンス」とか「環境問題」とか「会社の経営状態」といった技術論以外の制約が加わってくる。技術力の優越はある意味「限られた環境の中で、如何に最大限の効果を出す事が出来るか」も入っていたりする。
  5. んで、技術論の究極の形がF1マシンだったりする。F1マシンの形状ってヤツは、技術の極限を突き詰めた結果あーゆー風になったと考えられる。そりゃ確かにレギュレーションの制限が要るワケである。でなきゃ技術者の性として幾らでも何処までも突き詰めようとするワケである(笑)

といった感じである。こーゆーのを読んだ後に改めてスバル系のムックを読んでみると「慢性的金欠な上規模もシェアも小さいあの会社でよくもまぁ(;^_^A)色んな意味でスバルの技術者グッジョブ(≧∇≦)b」って感心してしまったりする(笑)


 まぁ、コレはクルマ知っている人なら殆どの人が知っていると思うのであるが:

ドライバーズカーの歓びを追求する上の核として、スバルは水平対向エンジン+4WDにこだわり続けている→×
オタッキーで一般ウケが悪い上にカネが無いから、スバルは水平対向エンジン+4WDにこだわり続けている→○

という点である(笑)よくよく調べてみるとインプもそうだが、レガシィフォレスターも実は殆ど変わっていない(てゆーか、共有部品多過ぎ/爆)なのだが、ソコには技術者の涙ぐましい努力があったりするのである。エンジンは同じでも搭載位置を10mm下げたとかはまだ序の口。インプのE型→F型に例えると、顔が変わったのとDCCDが改良されたのは有名な話であるが、その他ウォッシャータンクの位置が変わっていたりとか、ミッションのシンクロ部分にカーボン素材を使っていたりとか、果ては油圧パワステのベアリング部分が改良されていたりと、ある意味涙ぐましいを通り越して天晴れと言いたい位である(核爆)ワタクシがビル・ゲイツだったらスバルを買収して、ソレこそV型エンジンなりMR車なりを技術者達に自由に作らせたいなと思う今日この頃であった。