アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

THE LAW

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「不安なんて、空気に二酸化炭素が混じってるのと同じくらい普通のことだよ。小さなことで一喜一憂したり、心配で眠れなくなったり、それが当たり前。でもみんなそれぞれ、自分が思う一生懸命をやってるだけでしょ。それが全員違うから、面白いんだと思う」

By 甲本ヒロト


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


 多くのロンマニアの方にとって、ワタクシのレガシィ批判はもう耳タコだと思われるので省略しよう(笑)で。いきなり本文である【マツダ・ロードスター】の話に移るとしよう。今回乗ったのはハードトップの6MT仕様、流石に"横着魔人"の名を欲しい侭にしているワタクシですら(爆)コレをトルコンATで乗ろうなんてコレっぽっちも思っちゃいない。オープンカーも2シーターも実は生まれて始めてっちゅーのもあるが、何せ今までデカくて重たいクルマを2台乗り継いだモンであるから、一度は軽くて小さいクルマに乗ってみたかったちゅーワケである。


 まずはコクピットに着席。低いとは思っていたが、予想した以上にあいポイントが低いのである。次にシートとステアリング位置の調整。こちらも【非レカロの純正シート】で剛性はやはり劣るのであるが、GRB同様非常に座りやすくてホールド感が良いのである。車体が車体&ワタクシがワタクシなだけに(笑)窮屈感は否めないが、ソレでもペダル類の操作に何ら差し支える事がない。中でも一番秀逸なのが【ミッションシフト】なのである。ムダな力を入れずに操作しやすい位置にあって、ストロークも短く手首の操作だけでスコスコ入る。冗談抜きで今まで乗ったMT車の中では一番なんじゃないかと思うほどである。


 いざ発進。R35の1/3のパワーしかない(170馬力、19.3kgm)からクラッチも軽い・・・R35はクラッチないけど(笑)ココで始めてGRBに乗った事が大いに役に立つのである。前回「R35とGRBロードスターで三種三様」と言ったが、3台で丁度気持ち良いぐらいにキャラが分かれるのである:

  • R35:ターボ・ハイパワー(480馬力、60kgm)・DCT
  • GRB:ターボ・ミドルパワー(308馬力、43kgm)・MT
  • ロードスター:NA・ローパワー(170馬力、19.3kgm)・MT

ココでクラッチGRBと比較する事になるのであるが、やっぱパワーがGRBの6割しかないだけあって、クラッチも全然軽い。軽い割には繋ぎやすくて半クラッチも分かり易い。謳い文句ではアイドリングでも発進できるとの事であったが、流石にワタクシと営業さん乗せたらムリが生じる(笑)でも車体の軽さの恩恵もあってストールしにくい。こーゆー扱いやすいMTだったら全然大歓迎である(^-^)


 発進直後は小雨→つまり屋根は閉じたままだったのでその閉塞感の凄いこと凄いこと(^_^;)元々室内が狭い&ワタクシがデカい&そんな空間で男二人であるから、どの様な雰囲気だったかは容易に想像が付くと思われる(笑)が、雨が止んで屋根を開けると世界が一転。もう思わず「ポポポポポ( ゚д゚)゚д゚)゚д゚)゚д゚)゚д゚)ポカーン。街中だというのに、何この異常なまでの開放感( ̄Д ̄;)コレが曇りの街中なんかじゃなくて、日本晴れの西湘バイパス箱根ターンパイクスだったとしたら…( ̄□ ̄;)つーか、マジで行ってみてぇぇぇぇぇぇo(>ロロ<)o」って言ってしまったぐらい気持ち良かったのである。外国のクルマの多くに設定されている&特にスポーツカー/スーパーカーに必ずと言ってよいほどオープン仕様が設けられている理由がスンゲェ良く分かったのである。


 あと屋根を開けて変わったのは風景だけでなく、音も全然違うのである。新たに設けられた【インダクションサウンドエンハンサー】ってのが実にスグレモンなのである。単純にエンジン音がコクピットに入ってくるだけじゃないのである。屋根を開けるとマフラーとコレから同時にエンジン音が聞こえてきて、サラウンドでエキゾースト音を堪能できる仕掛けになっていたのである。もうこの瞬間「コレが雑音まみれの街中なんかじゃなくて、街から離れた静かなお山だったとしたら…( ̄□ ̄;)つーか、マジで行ってみてぇぇぇぇぇぇo(>ロロ<)o」って思わず声に出してしまったのは言うまでもない(笑)


 で、メーカーがココまで演出してまで聞かせるぐらいであるから、エンジンは無論抜かりナシである。パワーこそR35の1/3、GRBの3/5程度であり、音もフェラーリのソレと比べるとアレなのであるが、何ちゅーか「エンジンが回ってる」って実感がする心地良い響きなのである。R35もGRBもそうであるが、ターボだとスピードが出ているのは分かっていてもエンジンが回ってるという感じが希薄なのである。エンジンは非力だけど軽いから立ち上がりのレスポンスも良く非常に素直で、NAだから唐突なパワーの変化もなく素直に上限の7500rpmまで吹け上がる。心地良い音に加え、小さなボディーと低いアイポイントから来る相対的な速度感も合わせると、何ちゅーか「エンジンを回してクルマを加速させている」って凄く感じるのである。


 ンでもって、そのエンジンを支えるシャシーも乙なモンである。マツダの十八番である「フロントミッドシップパワープラントフレーム&50:50の前後重量」ってヤツのお陰かと思われるが、メチャメチャFRなのである。アクセルを踏んだ瞬間に間髪入れずにケツから押し出しが来て、そのまんまNAエンジンの力で気持ちよく加速する。重量配分が適切&前輪軸の前に変な重量物が無い分だけハンドリングもスムーズだし、振り回しても挙動は素直そのもの。サスに関しては一般向けだから柔らかくてロールもピッチも大きいが、ソコはやはりビル足。ロールしてもピッチしても足の粘りを感じるから安心できるし、柔らかくても地面の感覚がシッカリとステアリングとシートに伝わってくる。地面の感覚が分かってくれば、あとは安心して運転できるのである。


 国内外のスポーツカー、特にスーパースポーツと呼ばれるクルマが総じてMRレイアウトやフロントミッドシップレイアウトを取りたがる理由が、この3台を乗り比べる事で改めて思い知ったのである、4輪を出来るだけ四隅に置き、重量物はなるべく車体中央にバランス良く並べる。たったコレだけで車体の安定性は全然違ったモンになるからである。車体が安定すればするほど、ドライバーも安心して攻められる。よーするに、スポーツカーの醍醐味である「全力で攻める楽しさ」を堪能するためには、安定した構造を持った車体が必要不可欠だっちゅー話である。この要素が重要だからこそのピュアスポーツカーであり、搭載能力重視のエボリューションモデルじゃ味わえない世界である。故に小さいメーカ&このご時勢においても、自社にピュアスポーツカーを2車種ラインナップに加えているマツダをワタクシは高く評価したいと思うのである。


 一通り試乗を終えて、よーやくロードスターのコンセプトが分かってきたのである。よーするに「原始的なクルマの楽しさ+パワフルではないが非常に素直な操作性+バランスが良く安定性の高いレイアウト+手足の延長のようなハンドリング=人馬一体」ちゅー話である。レッドソックスの某投手ではないが、コレ乗って初めて「クルマはパワーやスピードが全てじゃない」って言葉が自信から確信に変わったのである(笑)ハッキリ言ってしまおう。今ワタクシにカネがあってセカンドカーを買うとしたら、間違いなくGRBじゃなくてロードスターを買う、と。パワーや速さを補って余り余るぐらい「楽しさ」が満載だからである。


 無論、攻めるには足が柔らかすぎる、ボディー剛性がもっと欲しい、やっぱフルバケは必須、ヘルメットどうしよう、車体は軽いがワタクシは重いなどの(笑)細かい要求はいくつかあるが、ソレでもワタクシ的には「優」をあげたいぐらい良く出来たクルマだと思うのである。つーか、ワタクシにカネと時間と余裕さえあれば、冗談抜きでセカンドカーにしても良いぐらい気に入ったのであるが、残念ながら今のワタクシにはカネも時間も余裕も無けりゃ、2台のクルマのことについて平行でモノを考える脳ミソのメモリもない(爆)今はまだ色々忙しいので余裕はないが、数年先の事を妄想してハァハァするのも悪くはないなと思ってしまった今日この頃であった。