アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

METAL ON METAL

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「勘違いしてもらっては困る。 どんな金持ちでも権力者でも、朝が来るのを止めることはできないのだ」

By 忌野清志郎


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


 さて、面倒くさい前置きは飛ばしておいて、と(笑)今回乗ったのはロータスエリーゼの2006年型ベースモデルである。エンジンはローバー製18K4F(以後Kエンジン)なのが残念だが、雰囲気だけは味わえるから良しとしよう。で、パッと見あまりにも小さいので、最初はワタクシが座れるかどうかが心配されたのであるが、ギリギリセーフだったことを知らせておこう(爆)が、問題はその乗り降りの難しさである。通称【バスタブシャシー】と呼ばれるこのシャシーであるが、実車ではこんな感じなのである:

書いて字の如く、浴槽の底にシートをくっつけた感じなのであり、シート位置が非常に低いのである。で、このクルマに乗り降りするたびに、その狭い空間にワタクシのムダにデカいケツを捩じ込む/引き抜かなきゃいかんのであるから、さぁ大変(笑)コレがオープン状態だったから良かったものの、屋根閉じていたら大変な事になってた希ガス(^_^;)


 で、コクピットに座ってみると、コレが実にシックリ来るのである。フルバケットシートはシッカリと低い位置で丁度良く固定されていて、前方視野も良好である。もう一つ「コレは(・∀・)イイ!!」って思ったのがステアリング。写真じゃ分からないが、実はメチャクチャ小さくて軽いのである。正直な話、社外品で売っているΦ330mmのステアリングよりも小さい。当然っちゃ当然だが、ちゃんとシートを肩に固定したまま9時15分の位置から反対側まで回せる。コレ設計した人がスポーツドライビングの何たるかを分かってる証拠である。あと内装はパッと見ショボいとは思ったが、実際手に触れてみると見た目以上にショボかったのでワロタ(笑)ホントのホントに安いプラスチックで内装が出来ているのである(^_^;)でもこーゆーのって遠巻きに外から見ただけじゃ絶対分からないからこそ逆に面白いのである。


 エンジンかけて、アクセル煽って、クラッチ繋ぐ。で、このクラッチがビックリするほど使い易いのである。車重が軽いからアイドリングからでも余裕で発進できるし、圧着力を上げなくても滑らずに繋がる→クラッチにムダがないのである。ワタクシが3ペダルMTを嫌いになった理由は、単に「GDBのクラッチが重くてイヤになった」が理由であるが(笑)軽いクルマのクラッチは全然違う。エンストや変速ショックにムダに神経すり減らす事もなく、シフトチェンジだけを純粋に楽しめるからである。ロードスターの時も同じ感想を抱いたのであるが、今のワタクシはライトウェイトスポーツなら3ペダルMTを買っても良いとすら思っている。軽量化の恩恵って実はこんな部分にまで現れているのであるから、GDB時代に軽量化しなかったことをただただ悔やむばかりである(爆)


 ハンドリングは流石ロータスである。このクルマは軽量化目的なのかは定かではないが、パワステが付いていないのである。が、パワステが付いていない=ハンドリングの感覚がパワステを介さず直に伝わってくるって意味でもあるのである。ソレにクルマが軽い&フロントに重いモンが乗っかってないせいもあって、パワステが無くともステアリングが重いと感じたことはない。コーナリングは流石MRである。アクセル抜いて荷重を前に軽く乗せて、ソレで軽くステアリングを切るだけで気持ち良いぐらいにグイグイ曲がるし、直線に入った瞬間アクセルを戻すと、間髪入れずにケツからグンと推される感覚と一緒に加速する。このコーナリング感覚が何とも(・∀・)イイ!!のである。そりゃ世界中のスーパースポーツがこぞってMR形式を採用するはずである。


 が、残念だった点が無いワケではない。まずはエンジン&ミッションである、ハッキリ言ってKエンジンはショボい(-_-;)パワーが無い、上まで回しても楽しくない、音も気持ち良くないと悪い方で三拍子揃ってしまっているのである(^_^;)んで、ミッションもキレが悪くてつながりがイマイチ。何ちゅーか、思わず「そりゃローバーが経営破綻するワケだは、ウン(;´Д`)」って納得してしまったエンジン&ミッションなのである(笑)今度乗る機会があったら断然トヨタ製の2ZZ-GEエンジン&同じくトヨタ製(アイシン製?)ミッション搭載のソレに限る。次に足回りである。試乗車が古いせいもあるのか、何だか足が弱いのである。ちょっと振っただけでスプリングが負けてしまい、ワタクシが思い描いた荷重移動にブレーキがかかるのである。


 が、ソレでも走らせてしまえば楽しい事には変わりない。で、このクルマの真骨頂は馬力でも最高速でもなく、他ならぬコーナリングである。ちょっときついコーナーがあるトコにちょっとスピード上げて突入して、ブレーキ踏んで前荷重かけて、ステアリング切って鼻先が出口を向いた瞬間アクセルを踏む。すると・・・

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・・・とばかりに、MRの真骨頂が味わえるのである(笑)速めのコーナリングスピードからでもスパッと鼻の向きが変わって、アクセル踏んだ瞬間ケツをガツンと蹴り飛ばされるように向きが変わって加速する。カートである、正にカートと全く同じような感覚が実車で味わえるのである。パワステがないトコ、必要最低限の装備しかないトコ、そして重量物が後方に位置してる後輪駆動であるトコ。全部カートと同じなのである。カートが大好きなロンマニアの方だったら、十中八九エリーゼを気に入るはずであろうとワタクシは確信している。あ、そうそう、幾らワタクシでも資金的な面ではサポートできないので悪しからず(爆)


 で、試乗が終わった後、改めて我が"トリックマスター"に乗ってみて比較したのであるが、その答えは「比較不可能」である。どっちが上でもないし、どっちが下でもない。簡単な事である、イタリア料理とタイ料理を比較する事に意味が無いのと同様で、方向性が全く違うクルマを比較する事自体がナンセンスだということが、双方に実際乗ってみたことでワタクシが導き出した結論である。無論、今まで乗ったGRBCZ4AロードスターシビックR、Z34アウディTTなどについても同様の事であり、ソコにはワタクシの独断と偏見による(笑)好き嫌いは存在していても、総論で「○○は××より上」とは言わない。クルマの使用目的やクルマに対する哲学がが違えば、選ぶクルマも違うのは当然の事であり、好みの違いはあれど優劣の差など無いっちゅー話である。


 ワタクシが誇る博学多才にて百戦錬磨のロンマニアの方々には「○○は××より上」などというアホ臭い事を言うヤツなんぞいないと確信しているので、この話はコレぐらいにしておこう(笑)が、念のためコレだけは言っておくとしよう。たとえソレが事実であろうとも「○○は××より上」「やっぱり自分のクルマ(メーカー)が一番」って言う事でしかしか自分のクルマを愛せないヤツは、実はホントの意味でクルマを愛しているのではないのだ、と。そして、ワタクシはクルマを愛していないヤツと交わす言葉なんぞない、と。おっと、マジになりすぎて空気が悪くなってしまったので(爆)書きたい事はまだ山ほどあれど締めるに限る今日この頃であった。