アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

THE LAND OF RAPE AND HONEY

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「狭量は逆境に馴らされるが、広量はそれに打ち克つ」

By ワシントン・アーヴィング


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


 いきなりな話でビックリしたと言うか、この大不況時代に来るべき時が来たと言うか何と言うか(-_-;)何と【HKSが正社員の15%をリストラした】というニュースが飛び込んできたのである。HKSといえば、ワタクシを含めモータースポーツ愛好家なら一度はお世話になる"チューニング業界の雄"とも言える存在であるが、ソコまでもが遂に不況&クルマ離れの影響を受けてしまったのである。【HKS】、【TRUST】、【A'PEX】、【BLITZ】。チューニング全盛期だった一昔前は「4大チューニングメーカー」と呼ばれた存在であるが、この内TRUSTとA'PEXは既に破産。ンでもって、4社の中ではトップだったHKSがコレだから、BLITZもヤバいと見て間違いないであろう。


 よーするに「弄るクルマがない」のと「クルマがあっても弄らない」からこうなるのである。何せスポーツカー/スポーティーカーのラインナップが10年前と比べて1/3まで減ってるのである(^_^;)減ってるだけならまだしも、値段までもが1.5倍〜2倍にアップしているのである。そんな時代にスポーツカー/スポーティーカーを買った人はクルマを壊したくない→自ずとチューニングしないか、したとしてもライトチューン程度で済ますだろうことは想像に難くないからである。ンでもって、チューニングの中心である10年前のラインナップの車種(例:シルビア、第2世代GT−R、RX−7)も生産中止から相当時間が経って、玉数も相当減っているのであるから、ハードチューンの需要は更に減ってくるワケである。


 ある意味国産車のチューニングにおける原動力とも言えたのが「280馬力規制」ってヤツである。10年前のスポーツカー乗りがチューニングに励んだ理由で少なくないのが「折角高いカネ出して速いクルマ買ったのに、280馬力しかないから(馬力規制のない)外車にアッサリ抜かれちまったよ(´・ω・`)・・・よし、チューニングで馬力を上げてリベンジしてやる(`・ω・´)」ってヤツである(笑&実話)280馬力しか出せない→メーカーもその馬力内での使用方法しか想定していないため、馬力を上げるとバランスが崩れて色々不具合が生じるからこそ、ソレを補うための各種チューニング需要があったとも言えるのである。


 現在はその280馬力規制もデファクト上撤廃され、メーカーも300馬力〜400馬力のマシンを作るようになってきた→つまりパワーに対する需要は少なくなるワケである。メーカーもバカではないから、ある程度チューニングされる事を見越してそのパワー+αに合わせて各種純正パーツが作られてるっちゅー話である。こと総合的なバランスって点で考えるとネジ一本に至るまで構造を知り尽くしている&複雑な演算や大掛かりな実験を行えるメーカーの方が遥かに上手である。そーゆー状況を考えると、今のクルマって過去のチューニングカーかソレ以上に既に完成された状態だったりするワケであるから、チューニングはブーストアップ程度のライトチューンか、個人の使用状況に合わせたチューン(足回り、マフラー、インテリア等)で事足りちゃうって話である。


 結論を言ってしまうと、チューニングにおける最重要パーツはタイヤなのである。どんなにパワーがあっても、ソレを地面に伝えられなきゃ意味がない→極論を言えばライトチューンで十分だからである。最も有効なチューニングとは結局の所タイヤを有効に使い切る方法って事であり、ソレに最も適した方法は結局のトコ「軽量化」「空力」「タイヤを活かすための足回り設定」「全体的なバランス」の4つである。サーキットなんかでホントに速い人のクルマを見てみると、その殆どがエンジンはノーマルかブーストアップ程度である。もしも良いチューニングショップをお探しのロンマニアの方がいて、良さげなショップを見つけたら主人にこう聞いてみるとよいであろう。「チューニングにおける最重要パーツは何だと思いますか?」と。


 つまり上記4メーカーが衰退してしまった理由ってのは、最もカネを落としてくれる客層である中級〜上級のクルマ好きを十分に満足させるパーツを製作できず、初心者ウケしかしないような必要以上のパワーアップパーツばかり作っていたからであるとワタクシは思うのである。まぁ、ココ最近の新商品のラインナップを見る限り、HKSはソコんトコ分かっているから倒産することはないだろうと思うが、ソレでもやっぱクルマ好き人口が減ってるというのは寂しい限りである(-_-;)でもまぁ、ワタクシがクルマ好きであることは変わりないので、今後も引き続きカーライフを楽しみたいと思う今日この頃であった。