アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

BLOOD, SWEAT, AND NO TEARS

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「何かを成すためには、まず自分が何者かにならなければならない」

By ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


 まずは冒頭に一言。ワタクシも"トリックマスター"も至って大丈夫であるから、ロンマニアの皆様は心配なさらずに(笑)まぁ、前回がアレだった&FSW行く事を宣言してから2日経って音沙汰ないと、知らず知らずのうちにロンマニア有志により葬式を上げられそうな気がしたモンであるからして(爆)さて、ワタクシの3年越しの念願だった「FSWレーシングコースで床まで踏む」が叶った&スポーツドライビングにおける新たな境地を見出した事で、現在ワタクシは完全燃焼して真っ白な灰状態だったりする。何ちゅーか、モータースポーツやって「お腹一杯でもう当分サーキット行きたくねぇ〜〜(;´Д`)」って思ったのはコレが始めてである(核爆)


 今回のソレについては【ノバさんスタッフのブログ】にも書いてあるので、面倒くさいから省略(笑)コレはあくまでワタクシの独断と偏見による考察であるが、正しいコーナリングについてちょっと考えてみた。ワタクシが思うにソレは「タイヤを最大限使い切るコーナリング」のことだと思うのである。図にまとめてみると、こんな感じである:

上方向がアクセル開度、下方向がブレーキ踏力、そして左右方向がステアリングの舵角である。よーするに、ステアリングを戻していないのに踏むからアンダーステアになり、減速が足らないのにステアリングを切ろうとするからオーバーステアになるって事である。上記イラストの1〜5に至る過程を摩擦円の1〜5に当てはめてみると、この様に説明がつくワケである:

  1. コーナー突入前にフルブレーキ。この時は減速にタイヤのグリップを最大限使っているので、ステアリング操作は受け付けない
  2. ブレーキを徐々に離してゆくにつれて、ステアリング舵角を増やしていく。この時、ステアリングを切り過ぎるorブレーキを離し足りないとオーバーステアになる
  3. クリッピングポイント。この時、ステアリング舵角は最大となる。横方向にタイヤのグリップを使ってしまってるため、ブレーキは完全に離した状態&アクセルはまだ踏んでない
  4. ステアリングを徐々に戻していくに従って、アクセルを徐々に開けていく。この時アクセルを踏みすぎるorステアリングを戻したりないとアンダーステア
  5. ステアリングを戻しきってから改めてアクセル全開


この様にしてタイヤのグリップをフルに使うのである。ンでもって、タイヤの摩擦円の大きさは常に一定ではなく、荷重移動により大きさが変わる。図で表すトコ1〜3に至るまでの過程では前輪>後輪であり、逆に3〜5に至る過程では後輪>前輪となる。コーナリングでよく起こる「イン巻き」って呼ばれる現象は、この摩擦円と荷重移動により起こるのである・・・

クリッピングポイントに辿り着く前にアクセルを踏んでしまう

荷重が後ろに移動するため、前輪の摩擦円が小さくなる

すると、加速に対して相対的に舵角が多い状態になり、結果アンダーステアとなる

咄嗟の事でアクセルを抜いて、前輪の摩擦円を回復させ曲げようとする

今度は荷重が前に移動したことにより、後輪の摩擦円が小さくなる

咄嗟の事だったので、この時ステアリングはまだ切ったまま

減速力に対して舵角が過剰なため、結果後輪はグリップを失う

イン巻き起こしてスピン

( ゚Д゚)マズー

・・・って事なのである。つまり、イン巻きを起こさないためには、クリップに辿り着くまではアクセルを踏まなければ良いのである。この様にタイヤ摩擦円の原理を知るという事は、クルマを速く走らすという意味でもそうであるが、更なる速さを求めチューニングするにおいても重要なのである。


 そうそう、このタイヤの摩擦円の理論ってのは、別にコーナリングに限ったことではないのである。低速コーナーの多いコースじゃ分かりにくいのであるが、高速コーナーの存在する国際格式コースにおいては、ブレーキングにもちょっとしたコツがあるのである。よくブレーキングについては「間髪いれずにガッツリ踏め」といわれるが、ワタクシが何処ぞで小耳に挟んだ限りではちょっと違う。分かりやすく言うとこーゆー事である:

200km/h以上のスピードでフル加速している

この時、荷重は後輪に大幅に寄っている

間髪いれずにフルブレーキかます

その瞬間、後輪に思いっきり寄っていた荷重が、一気に前へと移動する

荷重の急激な変動でブレーキがロックしてしまい、制動距離はむしろ伸びてしまう

制動距離が伸びるだけならまだしも、挙動まで不安定になる

( ゚Д゚)マズー

ソコでフルブレーキ前に、間を一瞬だけ置く

すると荷重が緩やかに前へ移動する

荷重が程好く前に乗った瞬間に、ブレーキをガッツリと踏む

すると今度は4輪のグリップをバランスよく使えるためロックしにくくなり、挙動も安定する

制動距離も短くなり、一瞬だけ置いた間のタイムロスは余裕でペイする

(゚д゚)ウマー

ワタクシは実際にコレをFSWの第一コーナーでやってみたのであるが、冗談抜きのホントのホントに使えるテクニックである。ミニサーキットぐらいのコースじゃ余り効果はないかも知れないが、進入時に200km/h超のスピードが出る高速サーキットなら効果抜群である。FSW、もてぎ、岡山国際サーキットオートポリスといった、200km/h超のスピードからフルブレーキ入れるようなコースをホームにしているロンマニアの方にはオススメ出来るテクニックである。さて、コース攻略に行こうと思ったのであるが、流石に話が長すぎたなと反省する今日この頃であった。