アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

P・O・P

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「いつも欲しいものが手に入るとは限らない。しばしば、その代わりに必要なものが手に入る」

By ミック・ジャガーローリング・ストーンズ


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


 箱庭系ゲームが熱過ぎるのである。箱庭系ゲームっちゅーのは、よーするに超広大なマップの中で自身の分身であるキャラクターを自由に動かし、その中で冒険しながら色々発見する事を目的とする類のゲームである。ワタクシが以前から大絶賛している【The Elder Scrolls IV: オブリビオン】や【グラン・セフト・オート4】や【アサシンクリードII】がソレである。メチャクチャ広大なマップを自らの足(時に乗り物)で検索して自分の道を探し出し、自分のやり方でクエストをこなしていき、自分だけの物語を作り上げる。上手く行けば快感、失敗してもソレまた余興。こーゆー風にコツコツと自分の力で自分だけの"何か"を築き上げるのが最高に(・∀・)イイ!!のである。


 この手のハイクォリティーな箱庭系ゲームをやった後だと、如何に日本のコンシュマーが飼い慣らされているかを思い知るのである。プレイヤーは何をすればいいのかをご親切にゲームが教えてくれて、その通りにすれば大概は容易にクリアー出来る。爽快感や満足感が得やすいのが長所であるが、その反面「自分で何かをやった」って達成感は薄い。達成感が薄いから、その分ゲームの本数を増やして爽快感や満足感を嵩増しして誤魔化す。箱庭系洋ゲーが出てきてDIYの楽しみを訴えても、飼い慣らされたコンシュマーはソレを「分かりにくい」「不親切」と受け取る・・・・(|| ゚Д゚)ハッ!ひょっとしてコレは国内ゲームメーカーの陰謀なのか(笑)


 既出だと思うが、日本にこうしたゲームが育たないのは、主に文化の違いから来ているのではというのがワタクシの意見である。基本的に日本じゃどんな分野であれ「やる事、したい事を自分で見つける」とか「自分で見つけたものに対してトライアル&エラーで挑む」って行為があまり推奨されないor推奨されたとしてもソレは予め決められた範囲の中限定であり、ソレをはみ出すと言うまでもなく叩かれる。その上失敗する事、リスクを負う事をまるで穢れであるかのように嫌うから、トライアル&エラーもへったくれもない。こーゆー日本文化的な現象が、奇しくもゲーム内でも如実に再現されてるっちゅーワケである。だから日本人&日本メーカーはこーゆー箱庭系ゲームを作れないのは、単に「自由な世界を想像できないから」だとワタクシは思うのである。


 余談であるが、よくよく考えるとクルマのチューニングも似た様なモンなのである。チューニングするためにショップに通うと、ソコには"メニュー"なるモンが大概置いてある。使用するステージ(ストリート、サーキット、ジムカーナ、ラリーなど)などに応じてステップが設けられ、そのステップに応じて順次チューニングしてゆく(例:エンジンならECU→マフラー→エアクリーナー→ブーストアップ→インタークーラー→タービン交換って感じ)のである。良く雑誌に名前が載るような有名店は、大概このパターンでチューニングを薦めてくる。仕事してカネを稼いで、そのカネで愛車をパワーアップして戦闘(サーキットのラップタイムなど)に勝つ。よーするに、クルマを用いたリアルロールプレイングゲームである(笑)


 この方法は確かに便利である。何故なら楽だからである。オーナーは何も考えない&何も勉強しなくたってカネさえ払えばクルマは成長する上に店主から色々教えてもらえるし、ショップの方で既にトライアル&エラーを施行済みだからオーナーはリスクを負う必要が殆どない。万が一の事があったとしても、その時はショップに責任を負わせてしまえば良い。そう、自身への責任が限りなく少ないから、手枷足枷填められるって実は楽チンなのである。かつての日本は「ハラキリ」って言葉が世界中に知れ渡るぐらい責任感の強い民族として知られていたが、今じゃ上も下も責任を逃れるために手枷足枷を自ら填めている。皮肉なモンである┐( ̄ヘ ̄)┌


 ソレを悪いとはワタクシは言わん。ただ、そんな方法でクルマのレベルは上がったとしても、ドライバーのレベルは低いままだからである。たとえ知識は山ほど蓄える事ができたとしても、ソレを自由に引き出して実用的に扱えなければ何の意味もないからである。最初の現役時代のミハエル・シューマッハが誰よりも速かった理由は、シューマッハ自身がクルマを知り尽くしていたからである。何をどうすればクルマがどのように変化するかが分かってるから、メカを知らないフツーのドライバーが辿り着けないような極限レベルまでマシンを操る事が出来るのである。ンでもって、ワタクシはワタクシ自身のレベルを高めたい&ワタクシの知識を実戦に応用できる技術へと昇華させたいから、こーゆードライバーを育てないロールプレイングゲーム的なチューニングを好まないってだけの話である。


 まぁソレはさて置き、6月にはワタクシも大いに待ち焦がれている箱庭系ゲームが発売されるのであるから、今から楽しみである:

ジャストコーズ2 - Xbox360

ジャストコーズ2 - Xbox360

でもまぁ、こーゆー自由度の高い箱庭系ゲームが最初のうちはマップを走り回るだけでも精一杯&理不尽に死にまくるのと同様に、自由(とソレに伴う責任)って結構重たいのである。芥川龍之介曰く「自由は山嶺の空気に似ている。どちらも弱い者には耐えることはできない」とあるが、そーゆー事である。


 こういう言い方はアレだが、ちょっと叩かれただけで何日も凹むようなヤツには、レベルアップのために必要な様々な試練にはとてもじゃないが耐えられないって話である。所謂ユークリッドの言うトコの「学問に王道なし」ってヤツである。痛みを伴わないでレベルアップする方法があるんだったら、むしろワタクシが教えて欲しいぐらいである。そーゆー状況に陥ったら、ワタクシの知る限り方法は2つしかない。ケツまくって逃げ出すか、弱いなら弱いなりに自分の出来うる最大限の事を粘り強くやり続けるかのどちらかである。まぁ、ワタクシが誇る(?)博学多才、不抜堅忍、有為多望、英明闊達、剛毅果断なロンマニアの方々は0.001秒で後者を選ぶから言うまでもないと思うが、ある意味自分に言い聞かせるために言ってみた今日この頃であった。