アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

DARK THRONES AND BLACK FLAGS

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「現状維持というのは常に醜悪な思想であり、また現状破壊というのは常に飢え渇いた貧しい思想である」

By 三島由紀夫


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*消極的な現状維持

 不景気だと言われ続けてもう何年経ったか忘れてしまいがちな今日この頃、気が付いてみたら多くの日本製品がトップの座から引き摺り下ろされようとしているか、あるいはもう引き摺り下ろされた後だったりする(^_^;)テレビや液晶はもう韓国勢に抜かれているし、携帯音楽プレイヤーはウォークマンの名を聞かなくなって久しいし、ゲームシェアも過半数から一気にシェアを落としてしまってるし、パソコン(ハード&ソフト&OS)やケータイなんかに至っては相手にすらされていない。技術大国のはずの日本であるが、その技術で後塵を拝んでるっちゅー有様である(-_-;)


 コレは”今ヤバい”と言われるありとあらゆる日本製品に言える事なのであるが、イノベーションが全く感じられないのである。確かに日本製だから品質は優れてる、コストパフォーマンスも相変わらず優れているし、機能は益々便利になってきている。でもイノベーションが全く無い。使っていて確かに便利だけど、持っていることに対する喜びとか、使っていてワクワクドキドキするとかがないのである。でもって今は不景気だから、皆が皆リスクを犯してイノベーションを開拓する事を恐れ「従来のモノをより安く、より便利に」の消極的な方向で競争を始める。その結果が市場を絞った結果としてのガラパゴス化と、コストダウンの弊害としての品質低下である。


*続・オーダーメイドのススメ

 何ちゅーか、日本で【フィアット500】がバカ売れしてるというのも気持ちが分からんでもないのである。イノベーションによるリスクを恐れて、確実に稼げる低燃費と低価格を過剰に追い求めた結果、クルマに詳しくない人はエンブレムを見なきゃ何処のクルマか分からないぐらい単調で退屈な車種しかなくなってるのであるから、イタリアの垢抜けたデザインは格別に目を引くのであろう。で、このフィアット500がデザインだけのクルマなのかと問われたら、答えは「ノー」である。だからハイブリッド一辺倒はヤバいとワタクシは考えているのである。


 ソレはさて置いて、何はともあれ「オークリーは(・∀・)イイ!!」と言っておくとしよう(笑)以前オークリーのサングラスをカスタムしてワタクシ流に仕上げたのであるが、コレの使い勝手が素晴らしすぎるのである。サングラス自身の使い勝手もそうであるが、何よりも「ワタクシの好みに合わせて作った」という満足感が凄いのである。何ちゅーか、眩しくなくても使いたくなってしまう、そんな感じである(爆)でもって、実はもう一本だけ欲しいと思ったモデルがあるのである:

実は最初の一本を買ったショップにも置いてあったのであるが、買わなかったのである。何故ならワタクシが欲しいレンズが入ってなかったからである。だったら【オーダーメイドしてしまえ】って話である。何ちゅーか、オークリーを好きな人が何本も所有してる理由が分かった希ガス。使い勝手や性能云々も勿論そうだが、所有する満足感がハンパないのである(^_^;)


 イノベーションとは、こーゆーのを言うのである。ただ単に製品を良くしてコストパフォーマンスを高めるだけでなく、新たに「機能とは関係ないけど追加でカネを出しても欲しい」という価値観そのものを生み出すのである。今のインプSTIランエボが抱える問題が正にソレである。速さとコスパ以外の価値観を付加できていないから、400諭吉以上にした途端売れなくなるのである。そうそう、クルマといったらコレもあるのである:

[rakuten:motormagazine:10000171:detail]

コレも正に「所有満足感がハンパない一品」の一つである。使ってまだ時間は大して経っていないが、もう2足目の構想がワタクシの脳内にはある(笑)完成された既存品を購入するとき、誰もが多かれ少なかれ”妥協”ってヤツをしなければいけないのである。でもってこの”妥協”ってヤツが曲者で、諦めたつもりでも実は心の深層に潜んでいて、威力は極々小さいけどボディーブローのように満足感をジワジワと削っていく。安物を短期間でドンドン買い換えたくなる心理ってのは、その積み重なった妥協の爆発なのである。


 オーダーメイドの魅力って、つまりコレなのである。オーナーが強いられる”妥協”を最小限にすればするほど、満足感は長持ちするのである。満足感が続けば何時までもソレを使いたいと思うし、万が一ダメになってもまた同じモノ、あるいは同じメーカーからの別のモノを買いたくなる。欧州メーカーなんかはコレの演出が非常に巧みで、一生使いたくなる”魔力”を持っている。アメリカの高級品は単に”高い消耗品”であるが、欧州の”高級品”は”恒久品”でもあるのである。日本人が欧州ブランドを好む理由は、やはり”恒久”という考え方をある程度共有しているからなんじゃないかなと思う今日この頃であった。