アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

WHERE THE ANCESTORS’ SOULS GATHERED

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「インターネットは道徳の過剰、監視の過剰、論理の過剰、批判の過剰など、さまざまな過剰性を導きます」

By 荻上チキ


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*情報は知識に非ず

 来月、つまり年明けにはもう講演の依頼が2つほど入ってしまってるんで、ゲームの合間をぬって原稿を作成中である(笑)高機能自閉症アスペルガー症候群という概念が生まれたのは結構昔の話であるが、ソレがマスコミやらネットやらで頻繁に取り上げられるようになったのはココ数年のことである。ワタクシが思うに、高機能自閉症アスペルガー症候群の当事者が抱える問題がココ数年で顕著化したからじゃないからかなと思うのである。ご存知(?)高機能&アスペの人の最大の武器は「ほとんど頑固偏屈とも言える集中力、一見些細に見える事実に対する膨大な記憶力」なのであり、昔はソレを利用すればソレなりに食えたのであるが、ソレが武器にならなくなってしまったからである。


 理由はズバリ、インターネットと電子デバイス各種の進化である。ソレらが無かった時代には、膨大な記憶から来る情報はソレだけで価値があったのである。が、今となっては「コレ(ネット端末)でググればおk」である(笑)特に最近は各種スマホや各種タブレットPCがかなり普及し始めている→何時でも何処でも誰でも無限大の情報を引き出せるため、高機能&アスペの集中力と記憶力の価値がグンと下がってしまったのである(^_^;)高機能&アスペから集中力と記憶力の価値が無くなったらどうなるのか?ワタクシを見れば分かると思うが、あとは空気読めないオタク野郎が残るだけである(爆)


 こーゆー時代においては、情報よりも知識や知性がモノを言うようになるのである。無限にある情報の中からTPOに合わせて取捨選択する応用力や、ホントに重要な情報を遣り取りできる相手との信頼関係を結ぶためのコミュニケーション能力や、自分の話を他人に聞いてもらうための魅力などが重要になるのだが、全てにおいて高機能&アスペの人にとって欠落しているか苦手な部分である(^_^;)何せソースはこのワタクシなのであるから、コレだけは自信を持って言える(笑)ワタクシもあっちこっちで講演して、何件か相談も受けているのであるが、コレばっかりは難しいのである(;^_^A)何せワタクシ自身が解決できていないのであるから(爆)


*読書は情報であり、やはり知識に非ず

 ワタクシは昔メチャクチャ本好きだったのであるが、最近はめっきり減ってしまっているのである。単純に時間が無い、読む体力が減ったというのもあるが、一番の原因は「山ほどの情報よりも、ひとかけらの経験の方が知識としては上だから」である。最近読むのは専らエンターテイメント系のソレである:

新約 とある魔術の禁書目録(3) (電撃文庫)

新約 とある魔術の禁書目録(3) (電撃文庫)

ワタクシも長文派なんで、鎌池和馬とか西尾維新だと川上稔とかの超速筆&超長文な作家の気持ちがすんご〜〜〜〜く良く分かる(笑)こういう人達って、脳内の各種情報量がハンパなく多いのである。だから一度良いアイディアが浮かんでくると、脳内の情報がケミストリーの連鎖を次々と生み出して、僅かなひらめきから膨大なストーリーが生まれてくるのである。あの人たちは「引き伸ばしてあんな長文になる」のではなく「必死に短くしようとしてるけど、ソレでも長くなってしまう」のである。因みにソースはワタクシ(爆)

もう何回言ったか分からないが、ワタクシがラノベというシロモノを知ったキッカケが、高坊の頃に読んだこの「フォーチュン・クエスト」シリーズが最初なのである。もう20年以上連載が続いているが、まだまだ終わる気配がなさそうである(^_^;)長く連載続けられる事の何が問題かって言えば、ストーリーを忘れてしまうことである(笑)旧フォーチュンの話は今でもスラスラと思い出せるのであるが、新フォーチュンになってからの話が殆ど思い出せないのである(爆)


*量より質

 ワタクシも昔は沢山の本を読んでいた&本を沢山読むことが喜びだったのであるが、今じゃすっかり成りを潜めてしまったモンである。単純に仕事やらで時間が無い&オッサン化して集中力の持続時間が減ったというのもあるが(笑)本とかテレビとかで想像と妄想を膨らますしかなかったガキの頃と違って、大人になって実際自分で色々手に取れるようになるのである。すると一つの事実に気が付くのである。本とかネットで仕入れた知識と、実際に自分で経験した出来事から得られた知識では質が違うのだという事に。ソレが分かってしまうと本でムダに知識を拾う事がバカバカしくなってしまい、結局読書はラノベと雑誌だけになってしまうのである(爆)


 本やネットや写真撮影とかで世界中の戦車についてのウンチクを山ほど持っている人と、知識は少なくても実際に自衛隊に入隊して自分の手で戦車を動かした事のある人の話。どっちの話が面白いかは、もはや言うまでも無いと思う。前者は視覚とか聴覚でしか戦車を語れないが、後者は五感全てで戦車を語ることができる。前者の話はググれば幾らでも見つかるが、後者の話は自衛隊に入隊してなければ語れない。だから質が全然違うのである。面白い話をしたければ実体験するのが一番なのであるが、いかんぜんワタクシにゃ時間も甲斐性もない(笑)情報量をネット化時代によって否定され、でも行動を起こすのは億劫。正にダメ人間一直線な今日この頃であった。