アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

CATCH THIRTYTHREE

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「いつも言っているが、私の感想より観客の感想のほうが大事なんじゃないかな。選手だって私のためにプレーしているわけじゃないんだからね」

By イビチャ・オシム


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*真剣勝負と肉体美

 以前、ワタクシがまだ東京の病院にいた頃の話である。プロレスや格闘技の好きな上司がいて、その上司が運良くプロレスラーの主治医を担当する機会が訪れたのである。プライベートな場でプロレスラーに聞いてみたい質問のナンバー1は、間違いなく「プロレスはガチなのかヤオなのか」であろう(笑)でもって、その何とレスラーはその質問に答えたんだそうである。その答えとは「試合の内容については、先生(つまり当時の上司)の想像する通り。でも肉体だけは本物だし、どちらにしろ肉体を鍛えなければ良いプロレスは出来ない」んだそうである。プロレスがガチかヤオかについてはひじょ〜〜〜〜〜〜にデリケートな問題&ワタクシはプヲタではないので、細かい言及はヘタレながら避けさせていただくとしよう(爆)


 そのレスラー曰く「身体を鍛えていなければ切れの良い技や観客を魅了する大技を繰り出せないし、技を受けながら長時間戦うことができないし、何よりお客さんに醜い身体を晒すことになる。自分はプロレスをやる事によって”身体を鍛えればこんな事も出来るんだぞ”というのをお客さんに楽しんでもらいたい。プロレスラーの魅力は勝負じゃなくて、鍛え上げられた肉体にあると考えている」んだそうである。ワタクシも大坊時代に部活やってた&筋トレも経験しているから、アレだけの肉体を作ることがどんだけ大変なのか想像がつくのである。だから「真剣勝負云々よりも肉体美」って話は良く分かるのである。特に今だとワタクシ自身のオッサン化が進行中なので(笑)ワタクシと同い年前後の選手がアレだけ動けるのは素直に凄いと思うのである。


*プロレスの魅力

 今じゃ信じられないかも知れないが、ワタクシが小坊〜中坊の頃はゴールデンタイムにプロレスをやっていたのである。でもって今じゃ信じられないかも知れないが、あの頃の小坊はクラスでフツーにプロレスごっことかをやっていたのである。因みにワタクシの得意技はコブラツイストである(笑)あの頃は馬場も猪木もまだ現役で、メインイベントの試合はそりゃあ盛り上がったモンである。コレまた信じられないことにプロレス中継の視聴率が26%もあって、人口が1億人ぐらいだった事から「全国2600万人のプロレスファンの皆様」という挨拶があったぐらいである。ソレが今や、こーなってしまったのである:

ゴールデンタイムどころか地上波や衛星でも放送されなくなってきたと思ったら、何時の間にかこんな状況になっていたのである(´・_・`)上記にもあるようにワタクシはプヲタではないので詳しいことは言えないが、格闘技というジャンル自体が細分化されすぎたんじゃないかなと思うのである。プロレス団体だけでも大小含めすごい数があるのに加え、打撃系やMMAまで増えたんだから、当然選手は分散する→スターが足らないだけじゃなくて、スター同士で切磋琢磨する機会も減るから、その結果質が落ちたんだろうなと思うのである。


 ワタクシが小坊〜中坊の頃は「格闘技=プロレス」であり、団体も新日本プロレス全日本プロレスぐらいしかなかったのである。団体は少なかったが、その分密度が凄まじかったのである。当時はまだアントニオ猪木ジャイアント馬場がまだ全盛期であり、当然ソレにつられる様に数多くの優れたレスラーが集まった&技をしのぎ合ったのであるから、レベルが低いはずがないのである。あの当時の有名レスラーを思い起こすと冗談抜きに限が無いので省略するが、ワタクシ的に「あの時代のレスラーで一番好きだった選手は?」と問われたら、ワタクシの答えは「スタン・ハンセン」である:

一度聴いたら忘れない&聴くだけでテンションが勝手に上昇する入場テーマ曲、パワフルで荒々しいファイトスタイルもそうであるが、何と言ってもウェスタラリアットである。スタン・ハンセンを知らない若いロンマニアの方に説明すると、このウェスタン・ラリアットという技は「一発でも喰らえば確実に3カウント取れる」というチート設定になってるのである。つまりハンセンを応援すれば「どんなピンチに立たされてもラリアット一つで逆転できるo(^-^)o」という期待が常に持てるし、逆に言えば相手選手を応援する時も「どんなに有利に試合を進めても、ラリアットを食らえば一発アウト(゚Д゚;)」という緊迫感を最後まで持つことになるのである。しかも前振りや準備が必要な他レスラーの大技とは違い、動画にあるようにウェスタラリアットは何時でも何処でも簡単に出せちゃう。つまりスタン・ハンセンの試合ってのは最後までハラハラドキドキして観れたのである。


*スター不在の時代

 プロレスに限った話ではないが、何かが栄えるにはやはりスーパースターが必要なのである。馬場や猪木の何が凄かったのかといえば、プロレスに詳しくない人でも馬場や猪木が誰だか分かる点にあると思うのである。でもって、果たして今のリングに「プロレスは観ないけど○×が誰だか知っている」という選手がどんだけいるんだって話である。コレまたプロレスに限った話ではないが、インターネット全盛期の今においてネット中継ではなく直接会場に足を運ぶ人というのは、勝負以外の事を知りたいからこそ来るのである。ソレは「選手を生で見たい」という要求である。ネットやテレビがどんなに進歩しても、ヒト対ヒトで伝わる事の本質は全く変わらず、そしてソレは直接でしか伝わらないのである。ネット社会になると、益々その事を痛感するのである。


 だから【トヨタ86が正式に発売開始になった】のと【スバルBRZが正式発表された】時に最初にワタクシが考えた事は「果たしてこのクルマからスターが生まれるのか否か」なのである。先代(?)のAE86の何が凄かったのかと問われたら、AE86からドリキン土屋圭市を始めとしたスター選手を数多く生み出すキッカケになった事である。でもってドリキンたちの走りを見て影響された世代が90年代のスポーツカー全盛期を支えたのである。こう言っちゃアレであるが、若者に支持されて若いスターが生まれなければ、いくらワタクシ含む30代〜50代のオッサンどもが声高々に騒いだとしても、あの時代のスポーツカー全盛期は決して戻ってこないであろうって話である(笑)でもまぁソレはワタクシの及ぶトコではないのであるため、ワタクシはワタクシで自由気ままにモータースポーツやクルマを楽しむに限る今日この頃であった。