ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m
「世の中で大成した人ほど臆病だと思う。臆病というのは本当は奥深いものだ。だって臆病っていうのは、ある種のレーダーじゃないか。臆病なやつは常に怖いから、次にどうしなきゃいけないか必死で探る。探す、調べる、緻密に計算する」
By 矢沢永吉
といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。
*おばあちゃんのドリフト
コレはウチの”師匠”のご友人が、仕事でドイツの地方に滞在していた頃の話である。とある冬の日、マイナス10℃という極寒の中で、仕事の都合で山道を走っていた時の話である。当然道はガッチガッチに凍っていて、スタッドレス履いてるとはいえ路面はツルツルである。流石にこんな状況ではマトモに走れない&しかも山道なので、超徐行で走行車線を走っていたのである。すると後方の追い越し車線から、VWゴルフが制限速度いっぱい(っていっても向こうの制限速度はかなり高く、山道でも80〜90km/hもあるであるが^_^;)で追い抜いて行ったのである。コーナーでリアを滑らせながらもカウンターを絶妙なタイミングで当てていき、まるで夏場のドライコンディションさながらに曲がりくねった山道を信じられないスピードで駆け抜けていったらしいのである。
そのご友人は「さぞかし有名なレーシングドライバーが乗っているんだろうなぁ〜(´∀`)」と考え、そのVWゴルフの運転席を見てみたのである。が、ソコにいたのはレーシングドライバーなんかではなく、何と何処にでも居そうな極々フツーのおばあちゃんだったとの事である( ̄∀ ̄;)そしてご友人はこう思ったそうである。そりゃ日本人がモータースポーツで欧州人に敵うはずがない、と。ドイツ車&ドイツ人ドライバーが何故優秀なのかといったら、常にこーゆーシチュエーションの中でクルマを作ってる&クルマに乗ってるからなのである。山道ですら80〜90km/hで、アウトバーンに行けば制限速度無制限。常にクルマが極限状態に晒されるからクルマ作りの技術も進歩するし、極限状態が日常にあればドライバーの技術や意識も段違いに向上するのである。ドイツからポルシェやBMWみたいなメーカーが誕生したり、シューマッハやベッテルみたいなチャンピオンが誕生するのは、ある意味偶然じゃなく必然なのである。
*平凡さの中の非凡さ
ドイツ車に乗られている/乗られたことのあるロンマニアの方ならお分かりかと思うが、ドイツ車の凄さって「スペックを超越してるトコ」だと思うのである。ノルドさんの代車で借りたBMW(E46)320iに乗った時、マジでそう思ったのである。コレがM3だったら「ま、M3だから当然だな( ̄∀ ̄)」でお終いだったが、コレが320iだったからこそ「マジかよ( ̄Д ̄;)BMW&ドイツ車パネェ・・・」って思ったモンである。3シリーズの最廉価モデル、つまり日本車で言うトコのマークXぐらいのクルマなのに、クラウンなんか目じゃないぐらい剛性感がハンパないのである。エンジンは気持ち良く上まで回って、ブレーキも変なノーズダイブしないで4輪でグッと沈み込むし、ステアリングは多少重いけど「その重さが(・∀・)イイ!!」って説得力を醸し出しているのである。スペック的には全然大したことは無いが、何ちゅーか「クルマを運転してるんだゾ☆(ゝω・)vキャピ」って充実感を与えてくれるのである(笑)ぶっちゃけた話、クルマに対する考え方がガラッと変わった1台である。
でもって3シリーズ、特に320iなんてのは高いクルマでも何でもない。日本じゃブランド料なんかを取られて高くなるが、本来は日本車で言うトコのマークXだとかスカイライン250だとかと製造コストは殆ど同じなのである。同じぐらいのコストなのに、いざ形にしてみると乗り味が全然違う。トヨタの豊田章男シャッチョの言うトコの”クルマの味付け”ってヤツこそがドイツ車の真骨頂なのだとワタクシは考えてるのである。その点については、Sオーナーも同じことを言っていたのを思い出す・・・
|: : : : :.| : : : | : : : : : : : : : : : : : : : : : : |: : : : : : : | そう、それがドイツ車と日本車の違い |: : : : : l.: : : :|: ! : : |: : : : : : : :|: : :|: : :/: : : : : : : :| ドイツ車だけでなく、欧州車は大概それに準じてる |: : : : : : : : __|厶: : |_:|: : : : : 厶: /: _/_: /.: : : : : :| だから私たちは常に欧州車を意識しているし |.:.: : : :.:V.\|Vヘ: :|:∧: : : :/j/|: :/|: /∨.: : : : :| 欧州での評価に常に注目している . |: : : \:.:VI〒孑汀 ハ: :./ 汀戈〒ヾ/: : : /: :,′ lハ.: : : :\:ト 辷ヒzi ヽVr' ヒz辷! 彳 : : /: :/ 私はドイツ車でよくニュル北を周回したりするのだけど 丶: : : : :ヽ、___ ノ ⌒ヽ、___ /: : : /: :/ 乗る度にその完成度の違いに何時も感心させられている _ \ : : : ゝ ̄ ̄ '  ̄ ̄/: : : /j∨ BMWやVWどころか、オペルですら乗り味が違う /:::`ーくヘ: : : :> _ - _ <: : : /:::::::ヽヘ、 安いクルマでも、セッティングがしっかりしている _ノ三三ニ≡=- \ :.{ \> _, </ /_j/-=≡ニ三三\_ F¬≠=≡三三ニ≡= ミ`ヽ、 \_. _/ / -‐= ニ三三三ニ≠¬| これはドイツ車だけに言えることではなく |l  ̄¨¨ ¬ー-、ヾ\V⌒V/_,, -―¬ ¨¨ ̄ l| ドイツを意識してる欧州車全般に言える事 |l {{ ̄ ̄ ̄ ̄}} l| 高い安い、速い遅いじゃなく . /|l } | | { l| 「基礎」としている部分に大きな差がある . l |l | | | | l|ヽ だから私たちは欧州へテストに行く ____ / \ VWどころか、オペルですらその出来なのかお / ─ ─ \ コレがメルセデスやポルシェとかになってくると・・・ / (●) (●) \ ・・・・そりゃシャレになっていないに決まってるお | (__人__) | \ `⌒´ ,/ まぁ日本は(建前上)時速100kmだし、道も舗装されまくってるお / ー‐ \ だからあんなフニャ足&軟なボディで成り立つんだお ,. -──‐‐- 、 ,. '´ `丶、 そう。日本は100km規制、アメリカは70マイル規制 / \ この規制が日本車とアメ車の進化を止めてしまっている / \ その規定速度までで安定さえすれば、それで十分だから / / / ヽ 自動車メーカーもそれ以上は追求しなくなる / . . : : :./: /// / / | / . : . :.ム/∠`フメ、: . . / / .| ドイツ(と欧州)という環境は常に極限と背中合わせで /./ . . . : : : : / 〒trテテミ1: : /|/メ、//:. . | 顧客は常に極限状況での性能を要求してくる /∧: : : :/: : : : :∧ ヒ辷ソノ |/ rテテミV.:.:. : :.} その結果世界のトップブランドに立ったのが {: : /: : :.:l: l:.} ヽ ___ノ ⌒Vヒッソ: /.::/. :/ ポルシェであり、メルセデスであり、BMWでもある l:V: : : : :l: N ヽ`ー'V.:::/: :/ |/\: : :{: ト、 /.:::/: :/ 日本車がドイツ車(欧州車)に追いついた?とんでもない ___ _ ___ _ \∧| \ ` ,.イ./l/ 極限まで追い込めば追い込むほど、日本車はその甘さを 「.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:..:.:.:.:.:.:...:.:.:`ヽ ヽ、 ..イ/l/ さらけ出し続ける事になる。スペック上の数字でなく |.:.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.\ /エ´/l/ スペックには決して現れない”感覚”という形で |/:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.\ \`ヽ、 /.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.|\|.:.:::::.\ R35もまた然り。まだまだ甘さを見せる部分が多い ./.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:. : |☆|.:::::::::::::| ポルシェとかと比べると、奥の深さが依然追いついていない ./.::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: \|.:::::::::::::| だから私たちの開発も終わる事はない
つまりSオーナーとR35開発陣にとって、速さの追及なんてとっくの昔に終わっているのである。目指してるのはもっと高い次元、言い換えるならば「握り一個1000円の寿司を味わった時に感じる、100円寿司10皿分以上の感動」ってヤツである(笑)インプやランエボを徹底的にチューンすれば、半分以下の値段でポルシェ911以上の速さが得られるのは周知のとおりである。ソレならば世界中のクルマ好きがこぞって911を捨ててインプやランエボに走ってもおかしくないはずだが、現実はそうなっていない。勿論ブランド価値だとか世間体だとかもあるかも知れないが、やっぱ一番大事な「深い走りの質」ってヤツが出てこないからだとワタクシは思うのである。
*進化と深化と単純化
日本車ってのは、例えるなら十徳ナイフのようなモノであるとワタクシは思うのである。確かに色々付いていて一見便利そうだけど、実際使うのは2つか3つぐらいで、ソレも全て使い勝手が中途半端って感じである。別に十徳ナイフが悪いと言っているワケではない。だが仮にも”ナイフ”と名がつく商品で、本来のナイフとしての使い勝手が他の機能に削がれるようであるならば、ソレは本末転倒ってモンである。低燃費です、荷物も人もたくさん載せられます、小さくて小回りが利きます、事故らないように各種電子制御がたくさん付いています、ATだから運転も楽です、オマケに値段も安い。でもって、クルマの本来の機能である「走る事」「ファッションの一部」は割を食う形で中途半端になってしまう。正に十徳ナイフである┐(´д`)┌
ソレが今後どうなるか?ガラケーが正にその成れの果てである。余計な機能ばかり山ほどついていて&無意味なぐらい小さくすることにこだわり過ぎて、ケータイの最重要機能である「通話」「メール」「ネット」の使い勝手がお座成りになってるのである。スマホの何が凄いのかといえば、この「通話」「メール」「ネット」の三大機能が一切阻害されていないトコなのである。その上で必要な人は必要な分だけアプリを追加できる利点がある。そりゃケータイにこだわる人もそうでない人も、皆こぞってスマホに流れるはずである。そう、日本車に可能性があるとしたら、スマホ的なクルマだとワタクシは考えているのである。この先を話したいがもう遅いため(笑)さっさと終わるに限る今日この頃であった。