アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

EATEN BACK TO LIFE

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「経営にはロジック(論理)とマジック(感性)が必要。ブランド再生で必要なのは、革命ではなく進化だ」

By ルー・フランクフォート(米国高級皮革製品メーカー「コーチ」CEO)


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*ブランドは工場よりも尊し

 スカイラインの名は工場一つよりも価値がある。冗談みたいなホントの話、カルロス・ゴーンが就任したての頃、当時開発中だったV35(当時の名称は未定だった)にスカイラインの名を冠する事を決めた時の言葉である。2万人をリストラして、クルマのラインナップを大幅に入れ替えて、日産の主力工場である村山工場を閉鎖してでも、ゴーンはスカイラインフェアレディZGT-Rの看板だけは守り抜いたのである。今のお寒い限りの国内クルマ業界を考える&その後の【2011年度の日産のモータースポーツでの大活躍】を考える&その後に水野氏を大抜擢してR35を生み出した事を考えると、ワタクシ的にコレは大英断だったと思うのである。もしもルノーと提携(てゆーかデファクト上の子会社化^_^;)せず、日本資本のまま日本人がシャッチョやっていたら、今頃日産はミニバンとコンパクトカーばかりの退屈なメーカーになってただろうからである。ホンダとかホンダとか、あとホンダみたいに(笑)


 良いクルマは比較的簡単に作れるが、ブランド価値はそう簡単に作れるモンじゃない。良いクルマを作ったからといって高く売れるとは限らないが、ブランド価値のあるクルマは確実に高く売れる。スバルを前者、ポルシェを後者と例えれば、ワタクシの言いたい事が何となく分かると思うのである(笑)カルロス・ゴーンはソレが分かっていたから、敢えてスカイラインフェアレディZGT-Rを残したんだと思うのである。古人曰く「継続は力なり」であるが、ブランドの場合は正にソレがモノを言うからである。長年こだわり続けてきた技術云々、長年レースで鍛え上げられてきた&数々の栄光に輝いた云々、長年やってきたが故に誰も追い付けない境地云々。人間でも年寄りの言葉に”重み”があるのと同様に、単なる技術や知識以上の”重み”がブランドには存在していて、消費者は前者よりも後者に価値を見出しているのである。だからブランドを残すというのは面子云々だけじゃなくて、商売的にも理に叶った戦略なのである。


*赤バッジは何処へ

 ソレが分かっていないメーカーが、安易にブランドの看板を下して短期的な利益に走るのである。例えばホンダとかホンダとか、あとホンダとかである(笑)ガチ名車だったNSXS2000とかを育てもせずに下してしまっていたり、アレだけこだわっていたF1もアッサリ撤退しちゃったし、モータースポーツに関係なくとも兎に角ホンダから面白いクルマの話が消えてしまったのである(-ω-;)何ちゅーか、フィットとオデッセイがバカ売れしたのがケチの付き始めだとワタクシは思うのである。ソレまでは独自路線で面白いクルマが多数あったホンダであったが、フィットとオデッセイの大ヒットに味を占めてしまったのか、その後は何時の間にかフィットとミニバンだけのメーカーになってしまったってオチである。恐らく、本気でトヨタと同じ土俵で戦ってシェアを奪おうとしていたのであろう。エコ方向では結局トヨタに一歩も二歩も先を行かれて追い付けず、今まで培ってきた走りやエンジンの技術は錆びついてしまった。正に「二兎追うもの一兎も得ず」とはこの事である┐( ̄ヘ ̄)┌


 最近のニュースじゃ【ホンダN BOXがバカ売れ】だとか【軽やスモールカーに特化した店舗を全国展開】とかがあるが、ワタクシ的には「何だかなぁ〜( ̄〜 ̄;)」ってトコである。ワタクシは別に「軽自動車やコンパクトカーを売ることが悪い事」とは考えていない。売れ筋のモンをガッツリ作って、ソレを売って儲けるのは商売人として当然の事であり、ソレは世界中どこのメーカーでもやってる事である。ただ何ちゅーか、ソレはF1で技術を極めたホンダのやる事じゃないとワタクシは思うのである。何ちゅーか、金メダル級の柔道選手がプロレスで荒稼ぎしてるのを見てる気分なのである(笑)柔道を否定してるワケでもプロレスを否定してるワケでもないし、プロレスの方が稼ぎが良いし長く続けられる。でも何ちゅーか、安定した収入以上に価値のある”何か”を逃すのは勿体無いって感じである。


*人もクルマも見た目が大事

 大きくて高いクルマは売れない?折角作ったソレをブランドとして育てていないんだから、そりゃ売れないに決まってるのである。フェラーリランボルギーニを欲しがる顧客ってのは「速くてカッコいいクルマが欲しい」以上に「フェラーリランボルギーニのクルマが欲しい」のである。逆に【レクサスLFA】がパッとしないのは「LFAが遅くてカッコ悪いから」ではなく「モータースポーツでの実績も歴史もないレクサスのクルマ」だからである。ブランドを築くには当然基本となる技術や知識が必要で、そしてホンダはソレに値するモンを持ってるとワタクシは考えているのである。だから”勿体無い”ってワタクシは言っているのである。もしもゴーンみたいな経営者がホンダのシャッチョになっていたら、今頃フェラーリの1/3の価格でフェラーリよりも速いガチなピュアスポーツカーが出来ていただろうし、R35との天秤に悩むワタクシも居たであろうからである(笑)


 クルマってのは、言わば己の分身である。高額なクルマってのは、単なる使い勝手云々じゃないのである。ユニクロしまむらの服と、アルマーニやベルサーチの服とでは求めるモンが違うのと一緒である。ホンダだけでなくスバルもそうであるが、一流の知識やノウハウがあるのにソレを満足に育てられず、中途半端が故に決定打がなく売れず、会社を存続させるためだけにつまらない大衆品を作っている。双方のブランドにはワタクシも期待していただけに、ソレが余計に腹立たしいのである(笑)ワタクシはホンダのファンでもスバルのファンでもなく、かと言って日産のファンでもない。ワタクシは良いクルマのファンであり、その中でも日本車を特に好んでるだけの話である。でもまぁ86/BRZNSXなどの良い話もなくはないので、少しは楽観的になれたと思う今日この頃であった。