アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

WRATH

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「愚者は己の経験に学び、賢者は他人の経験に学ぶ」

By オットー・フォン・ビスマルク


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*経験はかく語りき

 【ニュル24時間耐久レース】も無事終了である。何ちゅーか、21世紀の素晴らしさをフル堪能した気分である(笑)ネット回線があれば世界中どこからでもリアルタイムに順位表が見られるし、リアルタイム動画を発信してるサイトが複数あるから、ヘタしたら生観戦よりもリーズナブルである。何はともあれ、日本勢大活躍の24時間である( v ̄▽ ̄)出場したクルマが全て大きなトラブルもなく完走し、取るべき各種タイトルもシッカリとゲットしたのである(o ̄∇ ̄o)・・・・ワタクシ一推しである、日産のエースナンバー23*1を背負ったR35開発チームを除けば、であるが('A`)リアルタイム動画で見ていたが、ありゃデファクト上リタイヤみたいなモンである。最後の1〜2時間はずっとピットにいて、完走ノルマ達成のため*2最後の10分だけ走って終わり。もう1台の123号車(GTアカデミーチーム)が【ちゃんと走り切って30位&クラス優勝】だったから良かったけど、単独だったら大バッシング必至だったのであるから(-_-;)


 一言で表すと「結果が全て」である。不運?幸運だってあるんだから、ソコんトコはイーブンである。何はともあれ、今回のデータは13年モデル以降の改良にも反映されるんだから、13年モデル狙ってるワタクシとしては寧ろグッドニュースである(笑)まぁ今回の挑戦で出せる膿は出し尽くして、来年またチャレンジする。後にも先にもコレだけの話である。素人のワタクシが言うのもアレであるが、今回の敗因は「経験不足」だろうと思うのである。STIチームは3回目、GAZOOレーシングLFAは4回目のチャレンジであり、123号車の山内一典氏だってニュルは3回目&R35では2回目である。その山内氏のツイートの中に、こんな言葉があるのである:

山内 一典
@Kaz_Yamauchi
はい。(GT5によるシミュレーションは)かなり正確です。タイヤはR2にしてください。実際に走ったミシュラン・ミディアム相当になります。
あとエンジンとミッションを持たせるために6500RPMシフト(状況によっては6000RPM)していました。

コレはシミュレーターや数時間程度のテスト走行じゃ分かり得ない、経験者のみが知り得るノウハウの1つである。23号車が駆動系にトラブルを抱えていたことを考えると、123号車が生き残れたのは単なる幸運だけでなく、この様な参戦でしか知り得ないノウハウを幾つも持っていたからじゃないかなとワタクシは推測するのである。何はともあれ、今回いい経験を積めたであろう開発チームの来年に期待である。


*86伝説・第一章

 でも今回の大会で最も美味しい成果を得られたのは日産でもスバルでもなく、トヨタだとワタクシは思うのである。何せ発売したばかりの86で、世界一厳しい耐久レースでの初出場&初優勝という”伝説”を作っちゃったのであるから。あともう少しで生産終了のGVBや、限定生産で既に売り切れたLFAとは違い、86は正に今が旬なクルマだからである。ソレが今回のレースで見事にコンバット・プルーフ*3されたのであるから、コレは大きな宣伝材料である。歴史に残るスポーツカーには一つの共通点がある。ソレは「モータースポーツ愛好家に重宝されている」という事である。AE86が一時代を築けたのはAE86が速かったからではなく、モータースポーツでの使い勝手が非常に良かったからである。


 そう、新生86もそのルートに入ってくるかも知れないって話である。歴代インプ&ランエボ&タイプRもそう、第二世代GT-Rもそう、S2000RX-7やシルビアもそう。外車で言えばBMW・M3やポルシェ911もそう。クルマの素性が非常に優れているからワークスから素人に至るまで幅広く愛用され、ソコから更に発展していったのである・・・

クルマが優れている

優れているから街乗りも楽しく、競技でも大活躍する

コンバット・プルーフされる

「安心して使える」という事で愛用者が増える

愛用者が増えれば、自然と各種ノウハウが数多く蓄積される

愛好者が増えればパーツやカスタムやチューニングのニーズが増える

そーゆーのが増えれば増えるほど、愛好者は更に増える

愛好者が更に増えれば、ノウハウやパーツやチューニングも更に盛んになる

後はコレの良循環

(゚д゚)ウマー

・・・って感じである。こうやってこのレースで勝つことで「86は評論家やメディアが作った虚像ではなく、厳しいレースでコンバット・プルーフされた実像だ」というアピールを世界中のモータースポーツ愛好家に向けて発信できたのである。R35開発チームも多分ソレを狙ってたんだろうと思うが、目的は残念ながら達成されずって事じゃないかなと思うのである(^_^;)何はともあれピュアスポーツカーが繁栄するのはワタクシ的に大歓迎である。


*ホンダは何処に?

 ワタクシ的に不満な事が1つだけある。ホンダは何処行ったんだって話である。昔は「レース=ホンダ」だったが、今や見る影もない。ミニバンで世界一になる?で、その”世界一のミニバン”とかやらは何処にある。コレからの時代はエコとコンパクト?で、トヨタのソレに勝てるようなコンパクトカーとエコカーとかやらは何処にある。創始者は「誰もやらないことをするのがホンダ」と言っていたが、今は何をやるにしてもトヨタの二番煎じ。ワタクシの言わんとしてる事を体感したいのであれば、何処でもいいからホンダディーラーへ行ってみると良い。クルマ好きが心躍るような空間なんかないし、クルマが好きなスタッフも皆無。ソコにあるのはただ「クソッタレなまでに正論な生活臭」だけである。スポーツカー、特にスーパースポーツってのは単なる商品ではないのである。ソレはメーカーがお客様に提供する「夢」なのである。夢が無いのに"The Power of Dreams"を名乗るなんて、ブラックジョークも良いトコである┐( ̄ヘ ̄)┌


 こういうのはホルホルしてるようでアレであるが(笑)日産&R35を見習えって事である。550馬力&65kgmの超ド級エンジンで最新型4WDを駆動させニュル北で驚異のタイムを刻むだけでなく、そんだけの超ド級エンジンなのに星4つの環境性能と8.6km/Lの燃費というエコ性能を有していて、しかも値段は(エゴイスト除いて)1000諭吉以下。一見途方もないのだけど、精一杯頑張ってみれば何とかギリギリ手が届く。コレが”夢”ってモンなのである。コレがマツダやスバルやスズキや三菱だったら、ワタクシだって”仕方ない”で納得できる。が、コレはホンダの話である。トヨタや日産と並ぶ日本三大メーカーの1つについての話である。トヨタや日産はやった&できたのである。ならばホンダは何故やらない。ならばホンダは何故できない。ワタクシが問いたいのはソレだけであるヽ(`Д´)ノ・・・とまぁ、ココで熱くなってもしゃーないので(爆)気が早いが今回の経験を元にした13年モデルでの熟成に期待したい今日この頃であった。

*1:「2=ニ」「3=サン」という語呂合わせ

*2:耐久レースは規定周回数走って、24時間経過した後にスタートライン通過すれば完走扱いになる

*3:「戦闘証明済み」を意味する用語。実戦で使用され、その性能が当初の設計意図やカタログ通り(またはそれ以上)であることが客観的に実証されたという証