アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

NEAR DEATH EXPERIENCE

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「危機に感じると人は耳を澄ます顔つきになる。弥生時代の名残なのだろう。これを逆にして、耳を澄ます心にならなくては、危機を察知できないかもしれない」

By 古井由吉


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*この音にピンときたら緊急避難

 ワタクシがサーキット走行を嗜むようになったキッカケは「モータースポーツが好きだった」とか「レーシングカーが好きだった」とかじゃなく、実は「運転が上手くなりたかった」なのである。そう考えるようになったのは、初めてのクルマで初めて走行不能になるぐらいの大きな事故をやっちゃった時である。事故とかになると「自分さえシッカリしていれば事故は絶対起こらない」というが、機械と違って人間は完璧ではない。ソレに加え、事故ってのは自分で起こす以外にも、他者によって起こされる場合もあるのである。保険を使えば大丈夫?保険のカラクリを知っていれば、ソレが絶対安心をもたらさない事は明白である。じゃあどうするのか?ワタクシの答えは「非常時に迅速な対応が出来るように訓練する」である。そのためには限界走行を練習して学ぶ必要があり、そのために最適かつ合法的な方法がサーキット走行だったって話である。確かにタイムを削るという行為は楽しいが、でもワタクシのメインはやはり街乗りなのである。


 クルマの運転に限った事ではなく、どんな分野であれ危機管理は重要である。何をやるにしても考え得るあらゆる不慮の事態を予め想定してしておき、ソレの対処法もシミュレートしておく。人は気軽に自由自由って言うけど、自由って即ち「自由のリスクも自分持ち」って意味でもあるのである。どんな事でもそうであるが、知ってるのと知らないのとでは対処のレスポンスもスピードも大違いである。例えばコレは「Atom-Alarm Sirene(ABCサイレン)」というシロモノであるが、どうぞご静聴あれ:

コレは一体何かというと、実は「アメリカ本土が核兵器生物兵器などの攻撃を受けた時に鳴り響く国家緊急警報サイレン」なのである。つまりこの上なくガチな緊急事態だっちゅー事である。アメリカ在住、またはアメリカで仕事する機会のあるモニター前のロンマニアの貴方っm9(・∀・)このサイレンが鳴ったら、速攻で核シェルター等に緊急避難すべしである。コレを知らないでアメリカ行って核攻撃を受けようモンなら、戸惑ってる間に逃げ遅れて、そのまんま街ごと消し飛ぶ可能性大なのである。ハイ?( ・ω・)核戦争が起こる確率?ンなモン、ワタクシの知ったこっちゃないので悪しからず(笑)


 アメリカに行く機会なんてない?だったらニッポンの話をするとしよう。ニッポンにも実は「国民保護サイレン」なるシロモノがあるんで、こちらもご静聴あれ:

コレは上記のABCサイレンと同等のソレであり、ニッポンが核ミサイル発射、大規模テロ、ゲリラや特殊部隊による攻撃、航空攻撃などのガチでヤバい状態に陥ったっときに鳴り響くサイレンなのである。ニッポン在住のモニター前のロンマニアの貴方っm9(・∀・)このサイレンが鳴ったら身の回りの必要最低限の貴重品(ハンコ、通帳など)と水と食料を持って、速攻で当局の指示に従って非難するべしである。ハイ?( ・ω・)夜遅く両方のサイレンの音を聴いてしまい、怖くて眠れなくなった?ンなモン、ワタクシの知ったこっちゃないので悪しからず(笑)


*利益がもたらすウィンウィンの関係

 話は変わって、ホントに久しぶり過ぎるぐらい久しぶりな医療ネタである(笑)・・・とはいっても、アスペルガー/高機能といった発達障害がらみなのであるが(^_^;)最近はメディアでの特集も多くなって、ワタクシが普段から大変お世話になってる【Kaienさん】も各種メディアで取り上げられる機会が日に日に増えて来て、良くも悪くもネットで「アスペ」というスラングが使われるようになったといった具合にである。が、就労となると実際にはまだまだ厳しい状況であるとワタクシは感じるのである( ̄ヘ ̄;)良い言い方をすれば「お客様」「スペシャルゲスト」として仕事を貰える。悪い言い方をすれば、窓際の席に「障害者雇用枠」という名前を付けて宛がわれる、といった感じであろうか。何ちゅーか、企業の戦力として仕事をしているのではなく、あくまでも脇役といった感じである。まぁ実際は雇用まで辿り着ける人が少ないからソレはソレで良い面もあるのだろうけど、ワタクシ的にはちょっとアレなのである( ̄〜 ̄;)


 ワタクシの理想は「積極的な動機による雇用」なのである。こう言っちゃアレなのであるが、今はどちらかというと「消極的な動機による雇用」が殆どなんじゃないかなとワタクシは見ているのである。コレは現大阪市長橋下徹氏の言葉なのであるが、人にお願いする時には3つのパターンがあるのである。ソレは何かというと:

  1. 合法的に脅す
  2. 慈悲にすがる
  3. 利益を与える

の3つである。因みにコレの(ワタクシ的解釈による)答えは以下の通りである:

  1. 勿論×。たとえ合法的であろうとも、脅した時点で信頼関係は絶望的。
  2. ある意味△。ただし相手が冷徹な切れ者だったら、逆に足元を見られる。
  3. コレが○。お互い利益を受けるWin-Winの関係を作れば、大概の事があっても関係は崩れない。

ワタクシは橋下徹氏のこの考え方が、そのまんま発達障害者の雇用にも繋がると考えているのである。今の障害者雇用は(2)が一番多く、時折(1)が混ざってるという感じである。ワタクシに言わせれば、コレは「消極的な動機による雇用」なのである。何故なら雇用側に「本音では雇いたいと考えてますか?」と質問してみたら、必ずしも「イエス」じゃないからである。雇用者側は「本音は別として、決まり&義理だから雇わなきゃいけない」って考え、雇われる発達障害者側は「自分は可哀想な存在だから雇われるべきだ」と考えてしまう。コレで良い仕事が出来るであろうか?ワタクシはそう考えない。


 だから答えは(3)なのである。ワタクシはアスペルガーに生まれた事は不便だと考えているが、不幸だと思った事は・・・コミュ力無さ過ぎて「彼女歴=年齢」って部分ではあるな、ウン(笑)まぁソレはさて置き、短所があれば当然だが長所もある。その長所を最大限伸ばせば発達障害者でも優れた戦力に慣れるのであり、ワタクシが【Kaienさん】に賛同する部分も正にココなのである。障害者側は「自分は健常者には出来ないコレだけの能力がある」といって売り出し、雇用主側は「コイツを雇えば企業に利益をもたらしてくれる」と考えて買う。コレがワタクシの理想とする「積極的な動機による雇用」である。つまり慈悲や法的強制力といった「自分ではどうにもならない他人の力」によってではなく、自分で如何様にもなる自分の力を以って社会に参加するのである。そうして初めて、ワタクシら発達障害者は健常者と対等な関係になれるとワタクシは考えるのである。


 対等な関係、ワタクシが求めてるのが正にコレなのである。だからワタクシは(1)と(2)には賛同できないのである。そうやって他力本願になった時点で「健常者>発達障害者」の位置づけが固定されてしまうからである。いくら法的な平等だとか人権だとかのデジュールなソレは関係無いのである。本来は自分自身で背負わなきゃいけない義務や責任の一部を他者や社会などに丸投げしちゃってる時点で、もうデファクト上対等な関係なんかじゃないって話である。対等な関係を築きたかったら、健常者と同じような義務を果たし、同じような責任を負わなければいけない。そのために必要なのが力(実力、体力、知力、魅力、精神力、応用力、歌唱力その他諸々)であり、ワタクシら発達障害者は力を得るために日々精進すべきだというのがワタクシの主張なのである・・・と、熱くなるのもコレぐらいにしないと積んでるゲームを崩す気力体力が無くなるので(笑)早々に締めるに限る今日この頃であった。