アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

INQUISITORS OF SATAN

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「悪の定義は人それぞれに違うし、状況で変わってくるけど、“他人を踏み台にする人”。これは絶対に、 誰が何と言おうと悪だと思う」

By 荒木飛呂彦


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*物事の正しい薦め方

 ブログやってて誰もが思う事が「自分の好きなモンを皆に好きになってもらって、自分の事をもっと分かって欲しい」である。何故なら趣味恰好ってのは、何よりもその人を雄弁に語るからである。でもって、ワタクシも例外ではなかったりする・・・もっとも、ワタクシの影響力は皆無に近いが(笑)ワタクシ的なコツとしては「基本的に相手は自分の好きなモンに対して何も知らないし、興味も持っていない」という前提で挑むという事である。だから「○×は面白い」じゃなくて「○×の何がどう面白いのか」という書き方をするのである。人が趣味の世界に入るのを躊躇う要因として大きいのが「敷居が高い」という事である。だから内部にいる人間から敷居を下げてあげて、基本下手に出るのである。文章は分かり易くシンプルにして、キーワード機能や外部リンクを上手く使って、文章で難しいなら画像を貼ったり動画を貼ったりして、具体的な実体験談を交えて語るのである。


 というのも趣味人、特にオタクって人種は専ら上から目線になりがちだからである。何ちゅーか「深い趣味を持ってる自分は、大した事無い無趣味なヤツ等よりも見識あるんだゾ<( ̄^ ̄)>」って考えてしまうから、趣味の説明にしても「興味があるならソコから先は自分で調べれば( ´_ゝ`)」ってな具合に不親切になりがちで、ソレゆえに分かり難くて取っ付けなくても「この素晴らしい趣味を分からんヤツと話す事なんてない(`ヘ´) 」ってなってしまうのである。すると読者は敷居の高さを感じてしまい、その趣味にチャレンジする事を躊躇ってしまうワケである。ハッキリ言うが趣味人やオタクは超越人種でも劣等人種でも何でもない。ちょっとばかり自意識過剰な、何処にでもいるフツーの人である。フツーの人がフツーの人に何かを薦めるにはどうすれば良いのか。そうすれば、自ずと書くべき事が何か分かるはずである。


*ラスボスの人間賛歌

 話は変わって、iPadで読んでる「ジョジョの奇妙な冒険(以後ジョジョ)」が面白くて堪らんのである。軽い気持ちで読み始めたら、何時の間にかグイグイと作品の世界に引きずり込まれてたって話である。ワタクシは以前「ジョジョの魅力はその圧倒的なオリジナリティー」と書いたが、そのオリジナリティーは何処から来るか分かった希ガスのである。ソレは「作者の圧倒的な知識量」である。音楽、文学、映画、芸術、ファッション、科学、医学、機械工学等々。荒木飛呂彦(作者)の知識量がハンパなく多いのである。2種類のコーヒーのブレンドなら元ネタが簡単に分かるが、30種類もブレンドしたら元ネタなんぞ分かるはずもなく、あたかも新種のコーヒーの様に錯覚してしまう(笑)ジョジョのオリジナリティーってのは、つまりそーゆー事なんじゃないかなとワタクシは思うのである。ハッキリ言って、ジョジョのストーリーは定番中の定番なのである。が、その圧倒的な知識から来る演出の引き出しが凄いのである。


 その演出の一つがスタンド能力の設定であり、ある意味ソレがジョジョの醍醐味でもあるのだが、ワタクシはソレ以上に作者がテーマとして掲げている「人間賛歌」の方が好きだったりするのである。ロバート・ケネディ曰く「世の中には善人も悪人もいない。エキサイティングなヤツか、そうでないヤツか」と言ったが、ソレがそのまま当てはまるのである。敵も味方も自分の人生哲学に確固たる自信を持っていて、信念を貫くために命を懸ける事も厭わない。何ちゅーか「二元論的な善vs悪」じゃなくて「人生哲学の食い違うエキサイティングな人間同士が、自分の信念を貫くためには敵対せざるを得なかった」って感じなのであり、エキサイティングなキャラクター同士のダイナミックな人間ドラマが面白いのである。敵も味方も、辞世の句を吐くヤツが殆どいない→何としてでも勝って生き残って自分の道を全うしようとしてるトコが、何ちゅーかワタクシ的には感動するのである。


 でもってワタクシ的に脱帽したのは、ある意味”悪”の象徴とされるラスボス達だったりする。確かに憎ったらしいぐらいの悪党なのであるが、何故だか否定する気が起こらないのである。ソレどころか寧ろ逆に、ラスボス達から魅力すら感じてしまうのである。どーゆー事かとワタクシ的に考えてみたら、ある事に気付いたのである。ソレは各部のラスボス達が、それぞれ”とある事”を象徴しているからなのである:

  • 第二部ラスボス:カーズ → エリート意識と出世欲
  • 第三部ラスボス:DIO → 征服欲と支配欲
  • 第四部ラスボス:吉良吉影 → 現状維持と自己保身
  • 第七部ラスボス:ヴァレンタイン大統領 → 大組織への依存

つまり7人(正確には6人だけど)のラスボスがその根本に抱えてるモンってのは、全ての人間が多かれ少なかれ(特に弱い者が多く)抱えてるソレなのである。だから憎たらしくても「あるある」ってシンパシーを感じて否定できないのである。自分を評価しない世の中が憎いか?エリートになって頂点を獲りたいか?世界を支配してみたいと思うか?安定した生活が欲しいか?手に入れた権力の椅子を手放したくないか?老後もその先も安心していたいか?大組織に所属して楽したいか?ワタクシは全部「イエス、アイアム!!」である(笑)そう感じないヤツってのはモノホンの聖人か、あるいは余程のバカかのどっちかである。


*善悪と強弱

 上記の7人(もう一度言うが、正確には6人)ってのは「人間の弱さの象徴」なのであり、コレが作者の言う”悪”なのである。でもって、そのような利己的で後ろ向きな7つの感情に立ち向かって強い人間として成長しようってのが作者の掲げる”正義”なのであり、人間が弱さを克服して強く成長する様が”人間賛歌”なのである。知識や演出や画力も当然そうだけど、こういった思想のバックボーンがシッカリしてる事こそがジョジョの最大の魅力だというのがワタクシの見解である。そんな面白いジョジョだけど、たった一つだけ大きな欠点がある。ソレは何と言っても・・・

「萌えない」

・・・の一言に尽きるであろう(笑)とは言ってもジョジョはあの画風だからこそ何とも言えない独特な味があるのであり、美水かがみ矢吹健太朗赤松健が描くジョジョなんて想像すら不可能である(爆)という風にロンマニアの皆様がジョジョを読みたくなるように書いてみたのであるが、まぁ難しいだろうなというのは分かってるつもりである(^_^;)何故ならワタクシにそんな能力があるのなら、R35GT-Rの新車・中古車売り上げは今の10倍じゃなきゃおかしいからである(核爆)さて冗談はコレぐらいにしておいて、さっさと締めるに限る今日この頃であった。