アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

THE RISE OF BRUTALITY

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「人間は機械である。ちょっとでも触れると、欲情が激しく回る機械である」

By ギ・ド・モーパッサン


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*トレーニングウェポン賛歌

 先日サバゲー行って改めて思った事は「トレポンは(・∀・)イイ!!」って事である。ロンマニアの方からすれば「何を今更」「もう100回ぐらい聞いた」「うっせーなコノヤロー」ってトコであろうが(笑)ちょっと待ってほしいのである。ハッキリ言うが、サバゲーの武器としても、コレクションアイテムとしても、トレポンの優位性って実は無い(爆)徹底的にチューニングを施した東京マルイ電動ガンのが良く当たる上にコストだって安上がりだし、コレクションアイテムとしてなら無可動実銃のが断然良いに決まってる。じゃあトレポンの何が素晴らしいかって、ソレはズバリ「完璧な機械を持つ喜び」であり、ソレこそがワタクシを熱中させるモンなのである:



 シッカリした素材で精巧に作られた部品を用いてバランス良くタイトに組み上げた機械が、寸分の狂いも無く正確無比に作動する。機械好きのロンマニアの方ならば、この一行で心拍数が上がる筈である(笑)プラモだとかラジコンだとか、あるいは各種機械を組み立てた事のあるロンマニアに方ならばお分かりかと思うが、そういうのってただ組み立てるだけなら簡単だけど、綺麗に組むのはホント難しいのである。ワタクシにはソレが分かるからこそ、トレポンに魅かれるのである。機械式腕時計スーパーカーのソレに通ずるモンが、このトレポンにも存在するって事なのである。つまり機械の美学が宿ってるからこそ、ワタクシはトレポンに見せられたのである。トレポンの高い命中精度云々ってのは、その美学の副産物なのである。


*機械の魅力

 こういう事を言うと、例えばスーパーカーだと「外車は壊れやすい。国産車のが安くて壊れ難い上に弄れば速い。やっぱ国産車がナンバーワン!」って言う人がいるが、ワタクシはそう言う人に対し「じゃあ何故国産車は安くて壊れ難い上に弄れば速いの?」と問い返す次第である。答えは「そこそこの素材を使ってるからコストが安く、クリアランスを大きくしてあるから壊れ難く、マージンを敢えて多めに残しているから弄りに耐えられる」である。数字には殆ど現れないかも知れないが、乗ってみると色々と(高回転での吹け上りが鈍い、高負荷がかかるとボディがよれる等)細かいのが出てくるのである。巷で良く使われる「数字には表れない良さ」ってのは、つまりこういう事なのである。


 売るための商品として、速く走るための道具としてなら、ソレも大いにアリなのである。が、機械としてなら話は別である。ホントに優れた素材を使って、振動だとかを最小限にするためにクリアランスは可能な限り絞って、軽くしてムダを減らすためにマージンを可能な限り減らす。ソレを行うためには作り手の途方もない技術力と、卓越した職人の腕が無ければ成り立たない。ワタクシは機械好きとしてソレに感銘し、その技術やノウハウに対し大いなる敬意を払うのである:


こういう熟練の職人の手で組んだエンジンの素晴らしさを説明するのに「乗れば分かる」以外の言葉が出てこないのが悲しい限りである( ̄〜 ̄;)上まで回しても余計な雑音や振動が無く、アクセルを開けた途端に素早く気持ち良く吹け上がって、ムダを極限まで削ぎ落としてるからパワーと燃費が両立してる・・・って言葉に出せたし(笑)こういうクルマはエンジンだけじゃなくて、当然ミッションだとか足回りとかも同等の精度とバランスで組み上げられている。ワタクシがノーマルを可能な限り貫き通す理由、お分かり頂けたであろうか。


*チューニングに異議あり

 以前にも述べた事があるが、ワタクシがスーパーカーのチューニングカーを嫌うのは、つまりそういう事なのである。低コスト&大クリアランス&多マージンのクルマを弄るなら兎も角、スーパーカーってのは最高のバランスとパフォーマンスを狙って組み上げられたモンである。料理に例えるならば、食前から食後まで計算された高級フランスのフルコースなのである。ソレを弄るって事は「俺は辛いモンが好きだから」とか言う理由で、メインディッシュにタバスコぶっかけて食うようなモンなのである。美味いか不味いかの問題じゃなく、ハイレベルな技能を持った職人に対する冒涜なのである。牛丼に山盛りの生姜を乗せて食うのとは別の問題なのである(笑)


 こう言っちゃアレなのだが、今のチューニングショップってのは、その”牛丼に山盛りの生姜を乗せる”から先の事が出来るトコが殆ど無いのである。パワー上げて、脆くなった部分には強化を加え、ムダを更なるムダで覆い隠して速くする。確かに速いけど、ソコには「最小の損失で最大の効果を得る」といった機械としての美しさが見られないのである。ハッキリ言って速さだけが欲しいのなら、スーパースポーツバイクに乗る方が遥かに速くて安上がりである。でもワタクシは「クルマの機械としての美しさ」に魅力を感じてるから、速くてもバイクには乗る気は起らないのである。速さ云々、燃費云々は機械としての美学を突き詰めた副産物であり、決して主産物ではない。改めてそう思う今日この頃であった。