アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

DIE HARDS

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「前例がないからこそ、自分の場所がある。前例があるってことは、話題にならないってことです」


By 宮本亜門


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*ラリーの魅力

 スバルが2008年を最後に撤退して以来、ニッポンからWRCに関する話題がビックリするぐらい無くなってしまってるのである。まぁ言っちゃ悪いが、ニッポン人(特にスバル車乗り)は本来ラリーが好きじゃなかったって事である。ホントにラリーが好きならば、ニッポン人ドライバーやニッポンのワークスが居なくったって観る筈である。何故ならニッポン人やニッポンメーカーが居なくなったとしても、ラリーの面白さが変わる事は無いからである。そんな状況の中、何と【トヨタが2017年よりWRCに復帰する事を発表】したりしたのだから、そりゃビックリしたってモンである:


シトロエンVW、フォード、ヒュンダイ、ンでもってトヨタ。何だかんだでWRCにメーカーが戻ってきてるのである。リーマンショックの時、メーカーがシトロエンとフォードだけになった時は「WRC\(^o^)/オワタ」と思ってしまったモンであるが、FIA側の涙ぐましい努力&景気が回復してきた事もあって、持ち直したとみて良いであろう。


 ただワタクシ的な意見としては「コンパクトカーを改造してレーシングマシンに仕立て上げるのは、何だかなぁ(^_^;)」といったトコなのである。何ちゅーか、ママチャリを魔改造してクロスカントリーやってるって感じなのである(笑)古くはランチアストラトス、スバルで言えばCG8インプ、トヨタで言うトコのセリカGT-FOUR辺りが、やっぱワタクシ的には「コレぞラリーカーρ( ̄∇ ̄o)」なのである。あるいは以前ネタにした【アリエル・ノマド】みたいなバリバリのオフロードプロトカーでやっても面白いと思うのである。ベース車両関係ナシに、ラリーで速く走る事に特化したクルマを作ったらどうなるのか、クルマ好きとして非常に興味があるのである。


*前代未聞の新型マシン

 上記のニュース見て、モータースポーツ属性のあるロンマニアの方ならば「トヨタが2017年にWRC参戦って事は、WECは2016年限りで撤退か!?」って疑問を抱くだろうと思われるが、小耳に挟んだ話だと(余程の事が無い限り)並行して参戦するとの事である。そうそう、WECで思い出したのだが、ワタクシが今年のWECの一番の目玉としていたアレが、遂にアンベールされたのである:


そう、件の【日産GT-R LM NISMOが正式発表された】のである。因みに【メカとかまで写ってる写真はココ】である。何がブッたまげたかって、駆動方式がFFだって事である( ̄Д ̄;)フロントエンジンである事は予想ついてたから「エンジンが前なら駆動方式はFRで、モーターで前輪を駆動させるタイプの4WDかな」っていうワタクシの予想は、この上なく思いっきり外されたって話である(笑)


 慣性の法則により、クルマが加速する際には後輪により多くの荷重が掛かる。でもって同じく慣性の法則があるから、重量物は中心に近ければ近い程良い。あと加速トラクションやウェット時の安定性を考えれば、モーターは後輪でなく前輪を駆動させる4WDが最も良い。この3つを合わせれば、自ずと「レーシングカーに最適な駆動方式はMR+前輪をモーター駆動させる4WD」という答えが出てくるのであり、実際先に参戦してるトヨタアウディもポルシェも、エンジンは3社とも違えど駆動形式は皆同じである。ソコにフロントエンジンを持ち込んで、更には【この写真で分かる】ように後輪モーターアシストの4WDではなく、完璧なFFなのである。モータースポーツに少しでも関心ある人なら、コレをビックリするななんて言われてもムリな話である(;´Д`)


*前輪駆動のアドバンテージ

 さて、ビックリしっぱなしだと話が進まないので、冷静になるとしよう(笑)コレがガチのFFマシンである事は分かった。問題は「敢えてFFにする利点は何なのか?」である。6ケタ諭吉台という決して安くない開発費を注ぎ込んで作ってるWECマシンにおいて、敢えてこの方式を取るぐらいだから、きっと何らかの大きなアドバンテージがある筈なのである。ソレこそFFのデメリットである「加速時に荷重が一番掛かる後輪が駆動しない故のトラクション不足」「操舵と駆動を同じタイヤで受け持つが故に起こるアンダーステア」を補って余りあるぐらいの大きなアドバンテージが、である。ソコでティラノザウルス以下と名高いワタクシの頭脳を駆使して考えてみた所(笑)こんなトコじゃないかなと思うのである:

  • リアセクションの構造物が極端に少ないから、その分空力設計が楽になる
  • エンジンが前にあるとブレーキング時の回生エネルギーが大きくなるから、モーターパワーを大いに活かせる
  • エンジンが前にある分、冷却が楽になる

思い付くのはコレぐらいであるが、コレだけでFFのデメリットを覆せるとは到底思えんのである( ̄〜 ̄)第一ソレがホントに有効ならば、他のメーカーが既にやっててもおかしくないからである。日産の中の人は「今までの常識を全部覆したッ!(キリッ)」とドヤ顔らしいのだが、ワタクシには瞬時にコレが浮かんだのである:

           r ‐、
           | ○ |         r‐‐、
          _,;ト - イ、      ∧l☆│∧    良い子の諸君!
         (⌒`    ⌒ヽ   /,、,,ト.-イ/,、 l  
         |ヽ   ~~⌒γ ⌒ ) r'⌒ `!´ `⌒)   よく頭のおかしいライターやクリエイター気取りのバカが
        │ ヽー―'^ー-'  ( ⌒γ ⌒~~ /    「誰もやらなかった事に挑戦する」とほざくが
        │  〉    |│  |`ー^ー― r' |      大抵それは「先人が思いついたけどあえてやらなかった」ことだ
        │ /───| |  |/ |  l  ト、 |       王道が何故面白いか理解できない人間に面白い話は
        |  irー-、 ー ,} |    /     i         作れないぞ!
        | /   `X´ ヽ    /   入  |

・・・コレが浮かんだのは、恐らくワタクシだけではない筈である(笑)モータースポーツ界に散々と輝く珍マシンとして結果出せずに終わるか、あるいはモータースポーツ史に刻まれる革命マシンになるか、その結果は数ヶ月後には判明するであろう。何はともあれ、やっぱ今年のWECが楽しみで仕方が無い今日この頃であった。