アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

Downer

 今日は気分が乗らない、持病の鬱が久々に出てきた。テンションは下がりっぱなしで仕事にも身が入らなかった。こんな時にやることは:
①休む
②要らん事は考えない
ニルヴァーナを聞く
この3つに限る。

 落ち込んだ時にニルヴァーナは良い。下手に明るい音楽は気に障るだけだ。本当に落ち込んだ気分はこんなものじゃ癒せない。楽しい時には楽しい音楽、悲しい時には悲しい音楽、そして欝なときは鬱な音楽、これが正解。「お前の気持ちは分かる」なんて言葉は偽善の極みである。こういう輩に限って、預言者気取りで”幸福のススメ”を得意顔で押し売りしてくる。ワタクシはこの言葉を使う輩は信用しないことにしている。

 ニルヴァーナのリーダーであったカート・コバーンについては色々言われているが、ワタクシの考えでは、彼はあまりにもナイーヴで純粋だったのだと思う。崩壊した家庭に生まれ、社会に適合できず、その怒り、悲しみ、閉塞感、喪失感をギターを掻き鳴らし力の限り叫ぶことでカタルシスを得る。ロックスターになりたいとかそういったものは無く、ただ自分を開放したかっただけなのだと思う。

 それが「ネヴァーマインド」の大ヒットで状況は一転、自分が一番嫌っていたロックスターに自らがなってしまったこと。自分の予想を遥かに超えた名声と大金、そしてそれにイヤでも付きまとってくるドロドロした人間の暗黒面。俗に「ロックスター」と呼ばれる連中は、こうした状況の中で上手く立ち回るものだが、ナイーヴで純粋なカート・コバーンはそれが出来なかった。わずか数年の間に洪水のように雪崩れ込んできたこれら全てに戸惑い、苦悩し、自分を見失い、そしてショットガンで自分の頭を打ち抜くことで全てを終わらせようとした。

 ワタクシはカート・コバーンがとった行動が正しいとは思わない。彼は何らかんら言いながら結局は逃げたのだから。でも彼が訴えていた閉塞感、孤独感、疎外感はワタクシにも共感できるものがある。ワタクシも人付き合い下手、口下手で友達も殆ど出来ない上、オタクとして、睡眠障害患者としての疎外感も知っている。だからニルヴァーナを聞いていると「自分だけじゃないんだなぁ」と感じさせる。根本的な解決にはならないが、ある意味癒しを感じる今日この頃であった。

ネヴァーマインド

ネヴァーマインド