アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

STORIES OF SURVIVAL

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「本当の団結は、自立の中にだけありうる」

By ジョセ・バーガミン


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*売り手vs買い手

 水野和敏氏曰く「今のニッポンのモノ作りがダメになってるのは、お客様が欲しいモンじゃなくて、企業側が売りたいモンを売ってるから」だそうであるが、全く以ってその通りだと思うのである( ̄〜 ̄)どんな分野でもそうであるが、今時のブームは大概企業側が演出してるからである。マスゴミ抱え込んでハデに宣伝して、グッズ展開も予め決まっていて、何ちゅーか「コレが流行だぞ!乗らなきゃk疼痛の話題が無くて仲間外れにされちまうぞ!さぁ踊るぞテメェら!!」って感じである(笑)何故そうするかと言えば「その方が売り易いから」である。自分達がブームを作れば確実に儲けられるし、リソースを絞り込めてムダを減らせるってワケである。


 その成れの果てが特定のアイドルグループしかチャートインしないオリコンだったり、恋愛モノしかやらないトレンディードラマだったり、一部の看板作品だけが矢鱈と長期連載しているマンガ雑誌だったりするのである┐( ̄ヘ ̄)┌なんでそうなるかと言えば上記にあるように、売る側にとって売り易いからである。が、ソレが悪い事だとはワタクシは思わん。商売人なら儲けたいのは当然の事である。問題はニッポンの場合、その傾向が極端過ぎる事にあるのである。外国程ではないが、昔のニッポンは少数派に対しても「ひょっとしたらココからブーム起こるかも」って期待である程度の投資はしていたのであが、失われた十年だとかリーマンショックとかやらのせいか、ソレが真っ先に削られたって感じなのである。


*当事者よ漁師たれ

 さて、実を言うと大したネタも無いので(笑)この前発達障害者向けの講演会で、ワタクシが当事者代表として演説した話でもするとしよう。ワタクシの好きな言葉の一つに老子の「魚を一匹あげれば一日暮らせるが、魚の取り方を教えれば一生暮らしていける」ってのがあって、ワタクシはコレこそがアスペルガー高機能自閉症当事者の目指す道だと思うのである。他人からの施しってシロモノが一生に渡って貰える保証は何処にもないし、一生貰えたとしても自分の望むだけ貰える保証もないからである。でも自分で取れるようになれば一生大丈夫だし、その気になれば自分が欲しいだけ取ってもおk。政府や自治体にクレクレする手間とヒマがあるのなら、自分の長所を見出してソレでメシを食えるようにしろってのがワタクシの演説の趣旨である。


 そう演説して壇上を降りて、その後質問タイムに突入したのである。そしたら、当事者の家族からこんな質問が飛び出してきたのである。その質問とは「魚の取り方を教えてほしい」というモンである(^_^;)当然だが、ワタクシに答えられる筈がない。障害の特性は一人一人違って、興味がある分野も得意な分野も全員違う→ワタクシのやり方はほぼ確実に質問者に合わないからである。だからソレは本人の特性を一番良く分かってる人間。つまり本人自身か、あるいは家族といった一番身近にいる人間が、自分で努力して自分で見出すしかないのである。健常者だって自分の生き方を試行錯誤しながら頑張ってるんだから、ワタクシ等当事者も例外じゃないって話である。だから質問者にもそう答えた次第である。


 あと「本人(及び身近な人)じゃないと分からない」以外のもう一つの理由は「ワタクシの責任問題になるから」である。もしもワタクシが魚の取り方を教えたら、質問者は恐らく「ロンさんがこう言ってたから」って理由で始めるだろうし、万が一何かあったら「上手く行かなかった、ロンさんのせいだ!」ってなる可能性もあるって話である( ̄〜 ̄)でもって赤の他人でしかないワタクシにゃ、その当事者の事は全然分からん。責任取れないんだから、そりゃ教えられないに決まってるのである。こう言っちゃアレだが、やっぱ「魚が欲しい」って思ってる人は少なくないのであろう。実際問題、自立して成功してる当事者に対する嫉妬だとかやっかみだとか、そういうのもあるからである。


*貰う人vs与える人

 ワタクシが貰い続ける事を好ましく思わない理由はもう一つある。上記で「魚を一匹あげれば一日暮らせる」と書いたが、ソレが日常化すると一体どうなるであろうか。答えは「”もう一匹寄越せ”と言い出す」「”自分達は弱者だから貰って当然”と考えるようになる」である。ナマポ問題を例えに出すのは気が引けるが、アレって要するに「自分もフツーの人と同じ生活がしたい」「雇用が悪いからナマポ貰うハメになった、自分は悪くない」って考えが根底にあるから起こるのである。するとどうなったかというと、ナマポ受給者と非受給者の間に壁が出来てしまい、話し合いも間々ならない現在の状況である(-_-)そう、ワタクシが懸念してるのが、正にコレなのである。


 ワタクシは以前にも言ったが、「正しい」と「納得できる」はまた別の話なのである。何故マイノリティー関連の問題が拗れるかと言えば、押し付けられる相手の気持ちだとかを一切考慮せず、テメェの正当性ばかりを押し付けるからである。相手を納得させれば正当性は通るし、歴史上の偉人達もそうやってマイノリティーから地位を築き上げてきたんだって話である。だからワタクシは「中身や方向性は違えど、自分ら発達障害者も健常者同様に努力すべきだし、同じようにデメリットを背負うべきだ」と主張するのである。そうすれば、社会で99%以上を占める健常者側も納得できるからである。さてマジメな話は何時だってウケが悪いので(笑)明日の仕事に備えてさっさと寝るに限る今日この頃であった。