アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

THE SERPENT ONLY LIES

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「戯れに母を背負ひて、そのあまり軽きに泣きて、三歩歩まず」

By 石川啄木


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


マニュアルトランスミッションのススメ

 サブタイではこう言うものの、ぶっちゃけMTの利点なんて殆ど無いとワタクシも思うのである(笑)ただし”殆ど無い”であり”全く無い”ではない。ココがキモである。じゃあどういうクルマならばMTである事が有利になるのかと言えば、ワタクシの答えは「軽いクルマ」である。クルマが軽ければ軽いほどMTのデメリット(半クラッチ繋ぎの難しさ、クラッチの重さなど)は少なくなり、その反面MTのメリット(駆動伝達率、ミッション本体の軽さ、運転の楽しさなど)が前に出るようになるから、軽くて小さなクルマはMTがベストチョイスだとワタクシは考えているのである。MT並に軽くて伝達効率の高いミッションが登場すれば話は変わるが、当分そんなモンは出てこないだろうからである。


 だからND買った時も、ワタクシは迷わずMTを選択したのである。コレは別に「スポーツカーはMT云々」「運転の楽しさ云々」っていう古臭いMT信仰によるモンではなく、単純にMTの方がNDの素性を最大限引き出せるからである。現にNDはMTの方が燃費も良いし、重量も50kgほど軽いし、剛性だってMTのが高い。ならMTを選ぶ以外の選択肢は存在しないのである。でもって今回、前々から興味津々だったMT車に乗ってみたのである:



そう、スズキの【アルトワークス】である。以前から興味があって、試しにワタクシの界隈に試乗車があるかどうか調べてみたらあったので、ヒマを持て余してたから乗りに行ったのである(笑)ワタクシの周囲でのコレの評判は上々なので、まぁこういうのは実際乗ってみてナンボだからである。


*加速こそ全て

 んじゃ手短にインプレと行くとしようジャマイカ。まず乗ってみて最初に「コレは(・∀・)イイ!」って思ったのがレカロ製の専用シートである。座り心地はちと固いけど、その代わりガッチリと身体をホールドしてくれるのである。ぶっちゃけた話、コレに4点固定ハーネス付ければ、そのままサーキットで使えるぐらいホールド感のあるシートなのである。あとインパネはこんな感じである:

個人的にタコメーターは真ん中に設置してほしかったのであるが、まぁピュアスポーツカーじゃないんだから仕方ないっちゃ仕方ない(^_^;)ただやっぱ赤と白のインパネは非常に見易いので、ソコんトコは良かったと思うのである。


 でもって実際運転してみて一番ワタクシが驚いたのは、その加速の良さである。車体が軽くて、低速からガツンとトルクが掛かってて、ソレを最も伝達効率の高いトランスミッションであるMTがエンジンパワーをもれなく地面に伝えてくれるから、実に気持ち良く加速するのである。ぶっちゃけた話、ウチのNDよりも全然良いのである(笑)ぶっちゃけた話、この手のクルマに重要なのは最高速ではなく、時速100kmに到達するまでの加速力なのである。そしてワタクシが感じた限りだと、コレの加速力は下道は勿論の事、高速道路でも十分使える。サーキットに持っていったらどうなるかは分からんが、少なくとも街乗り〜ワインディングでは(軽としては)十分過ぎるほどキビキビ走れるだろうと思うのである。


 あともう一つ気に入ったのが、剛性の高さと足回りの良さである。軽特有のフニャフニャした感じが全くなく、加速時のエンジンパワーをトラクションとしてシッカリ伝えてるのが分かるし、わざと蛇行させてみても車体は軋まないし足も砕けない。前足がシッカリと車体を支えトラクションを伝え、しなやかな後足が前足をサポートする。流石に以前乗った【ルノー・ルーテシア】ほどではないが、ちゃんとしたFFスポーツの足回りになってるのである。何ちゅーか、やっぱソコは欧州でクルマ売ってるスズキだけあって、ソコんトコはシッカリしてるのである。流石に軽自動車なんで細かいトコを追求しちゃうと色々足らんトコが出てくるけど。ただ全体で見れば及第点と言えると思うのである。


*熟成と妥協

 が、問題が無いワケではない。一番の問題は何かと言えば、ドラポジである。最近の軽はとにかく人と荷物を積む事を最優先してるがためにドラポジに皺寄せが行っていて、コレも例外じゃないのである。やっぱどうしても座位置が高くなってしまい、高くなった分だけペダル操作やシフト操作がやり難くなって、ソレが運転の楽しさを少なからずスポイルしてるのである。特にコレとは正反対に人と荷物を積む事を犠牲にしてまで操作の楽しさを優先したNDと乗り比べると、その差がハッキリと分かるのである。短時間乗るだけならば何とか我慢できない事もないが、長時間長距離乗っていると疲れがドンドン溜まっていく。そんな希ガスのである。



 あともう一つは、MTそのものの熟成である。半クラッチの分かり易さや繋がり易さ、シフト移動の長さ、シフトを入れた時の心地良さ、変速時の繋がり等々。やっぱソコんトコの細かい部分での熟成が足りないと思うのである。だから初めて乗った時に半クラッチの場所が分かり難いから発進時にガクガクし易く、シフトを速く繋いだ時に違和感が出てしまう。ソコんトコを27年という長い歴史の中で散々熟成させてきたNDというクルマと比べてしまうと、分かり易いぐらいに分かってしまうのである(^_^;)ただコレの需要はニッチな事を考えると、恐らく徹底的な熟成はされないだろうなとワタクシは思うのである。折角いい素材があるのに残念な話である(´・ω・`)


 でもって買う気は全く無いくせに、見積もりだけは貰ってきたりするのである(笑)まぁ結論として「もしND買ってなかったら買ったか」の問いに対しては「ノー」とだけ言っておくとしよう。昔の3ドアの軽みたいに後部座席は殆ど犠牲にして2+2シーターにして、その分前方座席をもっとゆったりしたモンにして理想的なドラポジを確保すれば理想的なFFスポーツになれただけに、ソコだけは非常に残念なのである。でも例えば「キビキビ走るクルマが欲しいけど、でも予算が非常に限られているし、積載スペースがある程度必要」というのならば、このクルマはオススメできると思うのである。さて今日はもう遅いので、さっさと寝させてもらうとする今日この頃であった。