アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

CITY

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


ユダヤ人差別を論じたものが殆ど全て駄目なのは、その筆者が自分だけはそんなものとは無縁だと、心の中で決めてかかるからである」

By ジョージ・オーウェル


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*今ソコにない危機

 今日仕事してたら、不意に「そーいえばコリン・キャパニックって今どーなってるんだろうか( ̄▽ ̄)」ってのが脳裏に浮かんだんで、帰宅後に色々調べてみたのであるが、事が事だけに未だ侃々諤々やっているみたいである。興味ある方は「キャパニック 国歌斉唱起立拒否」でググってみると分かると思うが、ワタクシの感想としては「やった事はワタクシ的にはどちらかというとNGだけど、キャパニックの気持ちは分からんでもない」といったトコである:

ワタクシは「何事も先ず礼儀から入るべし」って考えてるんで、斉唱起立拒否は礼儀に反するからNGなのである。が、キャパニックとその家族親戚仲間において、黒人差別とかソレにまつわる事件は「ひょっとしたら次やられるは自分(達)かも(;゚Д゚)」といった目の前にある現実的な問題だからである。一刻の猶予もない問題だからこそ、こういう直接的なやり方しかなかったんだろうと理解できるのである。


 そう、ニッポンのサヨク教師の国歌斉唱起立拒否がダメな理由も、正にコレなのである。非礼なだけじゃなく、目の前にない非現実的な問題だからである。空想と妄想を元に危機を語ったって、ンなモンに説得力なんぞある筈が無いのである┐(´∀`)┌

最早ワタクシが言うまでもないと思うけど、国歌斉唱起立なんて海外じゃ当たり前のように行われてる事だし、教室内に国旗が掲げられてるなんてのもザラである。じゃあそういう国々が挙って生徒達を戦場に送り出してるのかと言われたら「ノー」である。更に言えば、国家に対する敬意を教壇で否定すれば戦場に行かなくて済むのかと問われたら、残念ながら「ノー」である。だからやった事がNGなだけでなく、気持ちも理解なんかされないのである。


*俺、マフィアになります。

 まぁコレはネットだとかSNSだとかに多い事なんだけど、所謂「理論的に正しい」という事と「皆が賛同してくれる」という事はイコールじゃないのである。言ってる事が正しくても言うヤツがダメならば受け入れられないし、その逆も然りである。数学や物理化学の世界とは違って、世の中が理論通りに進む事なんか殆ど無いからである。だからこそ「説得力」って技術が個別に必要なのであり、歴史上の世界を動かした人物ってのは、良かれ悪かれ高い説得力の持ち主なのである・・・という事を説得力皆無なワタクシが言ってもアレなので(笑)話題を変えるとしようジャマイカ

「コレってどういうゲームなの?」と問われたら「GTAからバカ要素を取り除いて、その分シリアス要素を付け足したようなゲーム」といったトコである。1968年のアメリカ南部を舞台に、ベトナム帰還兵の黒人主人公が裏社会で復讐してのし上がる話。こう書けば、このゲームが当時のアメリカに蔓延してた黒人はじめ有色人に対する差別とソレ故の貧困、ベトナム戦争の後遺症とソレによる社会的混沌、そういった重苦しいテーマを扱ってる事がお分かり頂けると思うのである。もうゲーム冒頭から差別用語や差別行為のオンパレードで、フツーのゲーマーならドン引きだが、ワタクシのような洋ゲーマー的には「ソレが(・∀・)イイ!」のである(笑)


流石に重苦しい雰囲気のゲームばかりやってると気分が滅入ってくるので、リフレッシュする必要があるのである(笑)まぁ何ちゅーか、たとえどんな本であっても、一度読み始めたら最後まで読まなきゃ気が済まない、ソレがワタクシのジャスティスなのである(爆)そうそう、言うまでもないと思うけど、コレでは差別や貧困や戦争や混沌といった気が滅入るような重苦しいテーマは扱ってないので、ソコんトコ安心していいのである(核爆)


*エンタメと重苦しさ

 前にも書いたと思うけど、この「反吐が出そうな重苦しい現実を題材として扱えるか否か」が、和製コンテンツと海外製コンテンツの大きな隔たりだと思うのである。確かに和製コンテンツもこの手のダークなネタは扱うが、ソレはあくまで「気持ち悪い」とか「怖い」だとかいう表面的一次的な感情に訴えかけるだけのモンは殆どで、言っちゃなんだが慣れてしまえば大した事ない&時間が経てば記憶が薄れていくようなダークさでしかないのである。海外製コンテンツにあるような、自分の身近にあるかも知れない社会の闇だとか、自分の心の中に住む自分が認めたくない暗い感情だとか、そういった何時までも心に残る重苦しいテーマを扱ったモンってのは、和製コンテンツじゃほとんど見られないのである。


 上記ゲームのオープニングだけど、本編が始まる前に開発陣からのメッセージが現れるのである。ソコには「このゲームには差別的な言動をそのまま用いてるけど、ソレはこの作品のテーマを語る上で欠かせないモンであり、決して差別の意図はありません。寧ろ覆い隠して無かった事にする方が、差別を冗長させるのだと我々は思います」と書かれているのだが、ホントその通りだと思うのである。ハッキリ言うが、ニッポンの作り手は現実逃避してるのである。エンタメだからこそ本気で向かい合わなきゃならない題材から目を逸らし、表面的な部分だけに訴えかけて手軽にローリスクで稼ごうとする。こういう重苦しい題材を極上のエンタメとして昇華できない限り、和製コンテンツに勝ち目は無い。そう思う今日この頃であった。