アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

RETRIBUTION

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「強者は道徳を蹂躙するであろう。弱者はまた道徳に愛撫されるであろう。道徳の迫害を受けるものは、常に強弱の中間者である」

By 芥川龍之介


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*真の弱者とは

 仮想敵を作らないと生きていけないヤツこそが、真の弱者。本屋で立ち読みした何かの本に書いてあった言葉だけど、思わずワタクシの心に響いた一行である。確かによくよく考えてみれば、弱いヤツは必ずって言っていいほど”敵”が居るのである。ワタクシも同じ穴の狢だから何となく分かるのだが(笑)ホントの意味で弱いヤツってのは兎に角テメェの自己評価が低いのである。だから仮想敵を作って「私は”敵”にとってジャマな人間である」って思い込みをするう事で、テメェの存在意義を見出そうとするのである。ンでもって同じ様な事やってる他のヤツ等で結束を固め、その中で居場所を得られればモアベターである。今はネット社会になって狢を探し易くなったから、益々その傾向が加速してるのである。


 確かに良く考えてみればカルト宗教は必ずと言って良いほど世間を敵視してるし、非カルトな宗教でも「絶対的な教えを抱いてる私は愚かな一般大衆とは違う」って感じに世間を敵視してるのである。でもってニッポンに限らず世界中のサヨク運動も、根本には「無知で愚かな人々に正しい知識と行動で抗う私達」がその根底にあるのである:

そう考えると、コイツ等が世の中を変えられない理由が実に良く分かるってモンである。何故変えられないかと言えば、変える気が最初から無いからである。こういうのに集うヤツ等ってのは「”敵”に抗う、建設的な行動をしてるカッコ良い自分」「正しい事の為に共に戦う仲間がいる、私は一人じゃない」に酔えればソレで満足するのであり、ソレ以外の事は考えていないのである。だから対案も出さないし、選挙に勝つための具体的且つ現実的な作戦なんてモンも作らないのである。そんな事したら、敵が居なくなってしまうからである。


*昭和あるある

 昨年末あたりからずっと続いていて、ワタクシも何回かネタにしてる件の「ドルジがドルジをフルボッコにした事件」であるが(笑)未だにその話題が尽きないどころか更に広がっていってる感じなのである(^_^;)この件についてのワタクシの予想を単刀直入に語ると「多分今後もこの手の不祥事ネタは色々と掘り返されるだろうけど、掘り返されれば掘り返されるほどに世間のリアクションも薄れていって、何時の間にか元の角界に戻っている」といったトコである。まず最初の理由が「何だかんだニッポン人は伝統に弱く、そして相撲はニッポンのどんな文化よりも歴史が長い」って事である。つまりニッポンという国や民族の根幹に関わる事だから、悪いと分かっていても簡単に変える事が出来ないのである。



 第2の理由は「何だかんだ言われても、結局若年〜中年は相撲観ていないから」である。大体この事について「角界けしからんo(`ω´*)o」って怒ってるのは、恐らく40代前後、つまり近代的な価値観で育った平成生まれor平成育ちである。部活で水分補給が当たり前&ウサギ飛びをしない人等からすれば、角界のこの様な慣行は時代錯誤的に写るのであろう。が、そういう人等は抑々相撲を熱心に観てないだろうから、相撲協会からすればソイツ等に叩かれたってダメージは微々たるモンなのである。相撲ファンの主力は今でも高齢者中心であり、そして高齢者にとって角界で起こった様々な不祥事は言うならば「昭和あるある」であり、ジジババ達からすれば「自分達も昔そうだったけど、アレって今はダメなの?」ぐらいにしか思っていないだろうからである。



 ワタクシが高坊大坊の頃に部活動してた時には既に半ばそうじゃなくなってた(やっぱその名残は少しばかり残ってた)が、結構上のOBとかに話を聞くと、今やったら間違いなくネットを中心に大炎上しただろうエピソードが多い事多い事(^_^;)でもあの当時は「ソレが普通だと思ってたし、ソレを見られたとしても部外者や学校関係者、学外の人や警察までも”やり過ぎるなよ”ぐらいしか言わなかった」とそのOBは語ってたのである。ソレが当たり前だった世代の人間からすれば、確かに今回の事件は「死人は出てないんだし、後遺症も無いんだし、今後気を付ければ良いんじゃないの?今のルールが全て正しいとは思えない」って思う事であろう。そういう高齢者が相撲ファンの主力だからこそ、相撲協会も今の様に強気で抜本的改革を拒むのであろう。


*ポスト昭和の角界

 じゃあ角界はこのままで良いのかと言われたら、ワタクシの答えは「ノー」である。確かに今回のは何とか凌げるかも知れないけど、その後はどうするんだって話である。言っちゃ何だが、ただでさえスポーツの多彩化や少子化で優れた人材が集まらない角界に、今回の件で更に集まらなくなるだろうからである。ただでさえ人材的体格的に劣ってるニッポン人力士の質が、今後更に下がっていくだろう事が予想されるからである。そう、この事件が起ころうが起こるまいが、どちらにせよ相撲の大改革は必要だったのである。国際化スポーツ化を推し進めて裾野を広げていくか、或いは伝統に拘って原初のソレみたく宗教儀式に戻っていくか、その2つしか無いとワタクシは考えているのである。


 まぁやきうとか和ゲーとかもそうだけど、ニッポン人って「今までコレで上手くやってきたんだから、今後も上手くやっていける筈ッ!」って思い込む傾向が強く、ソレで自縄自縛に陥っちゃう事が間々あるのである。昔だったらニッポンのコンテンツは中々外へ出ない&外からも中々入って来ないからソレで何とかなったけど、今はネット全盛期のボーダレス時代である。ニッポンに居られなくなっても外国行けば済む話だし、替わりのモンも外国からドンドン入ってくる時代である。そんな中でただ単に「コレがニッポンの伝統だッ!」って言っただけじゃ、そのまま時代に淘汰されてお終いである。さて、かく言うワタクシも相撲属性は全然無いので(笑)お暇するに限る今日この頃であった。