アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

BATTLE MAGIC

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m

「大切なのは家族だ。家族が仲良く一緒にいることこそが我々のビジネスの根幹であり、我々が望んでいることだ」
By ウォルト・ディズニー

 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


ニートになりかけた男
 何だか最近、ニート絡みの事件が色々起きてるみたいである。でもってコレ等の事件に関し、ワタクシはどうも他人事の様には感じられないのである(^_^;)ちゅーのもワタクシ、若い頃一度だけニートになりかけた事があるからである(笑&実話)ワタクシがアスペルガー故に社会順応が難しくなってきたのが研修医の頃で、その頃は色んな問題が起こっていて、ワタクシも結構参ってたのである(´ヘ`;)そんな時カーチャンから「家に帰って数年間ぐらい何もしないで休んだらどうか」って話を持ち掛けられたのである。でも当時のワタクシは意地貼ってた&トーチャンと折り合いが悪かった→実家帰ったら大変な事になるんで、そのまんま働き続けて今に至るのである。

 そう、もしもこの話にワタクシが首を縦に振っていたら、ワタクシは今頃実家でニートやっていて、各種事件に触発されてヤバい事になってた可能性があったのである(笑)前々回話したと思うが、健常者にとって人間関係や社会との折り合いは「やれば自然とできるモン」なのであり、その視点からすれば人間関係が作れなくて社会との折り合いが悪いヤツは「やらないだけorやりたくないだけ」であり、ソコから「だったらやる気になるまで休ませてあげよう」って発想に至るのである:

【引きこもり=犯罪予備軍】誤解と偏見を解く5月31日
でもってニート自身は発達障害とかそういうのがあったりする場合があるから、その気になっても社会参加が中々できないのである。でも家族側は「やればできるはず」って思い込んでるから、結局何処まで行っても平行線になってしまうのである。こう書くと「じゃあ家族同士で時間をかけてでもいいからシッカリ話して分かり合えばいいじゃん」って思うだろうけど、コレが実に難しいのである。ワタクシんトコもそうだけど、物事の解決って優先順位が思いの外低いからである。

アイデンティティーの集団的自衛
 自分の考えを持ち、自分の信念に従い行動し、ソコから生ずる責任を自分が全て受け持つ。口で言う(文章に表す)のは簡単であるが、コレが出来る人って実はすんごい少ないのである( ̄~ ̄)殆どの人が何かのコミュニティに属する事でアイデンティティーを共有し、独りで行動できなくてもチームで行動する事で負担を分散し、責任を人数分に分かち合い楽にするのである。だからフツーの人にとって「〇〇の××」「△△の□□」といった肩書は、社会人として生きる上で非常に重要なのである。国家防衛のソレと似てる事から、ワタクシはコレを「アイデンティティーの集団的自衛」と呼んでいるのである(笑)


【安全保障講座】解説!集団的自衛権とは?[桜H26/7/17]

 だから自らが所属するコミュニティに異変が起こると、多くの人は「悪しきを如何に正すか」よりも「どうすればコミュニティを守れるか」が優先順位として上になってしまうのである。よくいじめ云々や虐待云々で同じコミュニティの第三者が多くの場合何もしないのは、つまりそういう事である。加害者を刺激して問題がより大きくなって、ソレがキッカケでコミュニティが崩壊するのを恐れているのである。でもそのまんま見逃して時が解決するまで現状維持できれば、形だけとはいえコミュニティは守られるのである。形だけとはいえど、コミュニティが有るのと無いのとでは心の安心度が全然違うのである。


中原徹教育長、なかよしテレビでいじめ問題を語る(和泉高等学校長時代)

 そう、なぜ引きこもり云々ニート云々でそういった徹底した話し合いや問題解決がなされる事が少ないかって、このアイデンティティーの集団的自衛権が行使されるからである。本人をムリヤリ追い出すなり働かせるなりして様々な問題を起こすと、ソレが原因で家族というコミュニティの評判が落ちてしまう&ソレが原因で家族が崩壊してしまう可能性があるのである。だったら事が解決しないと分かっていても家に置いといて小遣い与えて好きにさせた方が、トータルで見れば家族というコミュニティを守る上で有意義だからである。安全と安心と安定は、時として真実や正義よりも価値が高くなるモンなのである。

*やっぱ正義と真実は大事
 でもって引きこもりやニート本人も「家族コミュニティの維持>自分が抱える問題の解決」って事に何となく気付くから、コミュニティを壊すために時折ニュースに出るような暴力行為だとかムチャな要求をしたりとかしてしまうんじゃないかと思うのである。でもってその他の家族側は何が何でもコミュニティを守ろうとするから、その要求を呑んでしまうのである。当然だけど一時凌ぎでしかないからまた再発して、また要求を呑んで、限界に達するまでソレが続くのである。まぁこういう事が何となく分かってしまう時点で、ワタクシも相当ヤバいヤツなんじゃないかと思ってしまうのである(笑)


長男を包丁で刺し・・・ 元農水事務次官の父を逮捕(19/06/02)

 だからこの問題を解決するにはどうすればいいかって、強く賢くなるしかないのである。被害者も、加害者も、その周りの第三者もである。強く賢くなって、アイデンティティーを集団に委ねなくても良くなって、初めて真実と正義を追求するために不正や理不尽に立ち向かえるのである。でもニッポンって国はそのアイデンティティーの集団的自衛で今まで余りにも上手くやれ過ぎちゃっていて、そのまま今後もずっと上手く行き続けてほしいって願望がニッポン国民全体に広く深く根付いてるのである。個人主義というのは決して自分勝手な事ではなく、世の為人の為に自己責任を全うするという事、改めてそう思う今日この頃であった。

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