アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

THE UNGOVERNABLE FORCE

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m

「老人とは、子どもを二つ合わせたようなものだ」
By ウィリアム・シェイクスピア

 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*脱・子供のオモチャ
 今では伝説のクルマとしてアホみたいな中古価格で取引されているBNR34FD3Sであるが、販売された当時は売れなかったんだそうである( ̄~ ̄)BNR34が1.2万台で、FD3Sが5万台ほど。でもって売れなかった一番の理由が「高い」だったらしいのである。でも同時期に売られてた993型911が7.3万台、996型911が17万台売れてたんだから、ソレよりも全然安いBNR34FD3Sが売れないのは変な話である。でもって今になって分かったのは、アレは「(走り屋志望の若者向けのクルマとしては)高い」って意味だったんじゃないかと今になって思うのであり、ソレが90年代スポーツカーが廃れた理由でもあるとワタクシは考えるのである。

youtu.be

 そう、あの時代の国産スポーツカーは「若者向けのクルマ」のイメージとブランドから脱却できず、欧州車みたいな「カネ持ってるナイスミドルの為のクルマ」に進化する事が出来なかったのである。国産スポーツカーは高度成長期~バブル時代という特殊な時代だからこそ成り立ったのであり、その時代が終われば欧米同様に「スポーツカー=カネに余裕がある富裕層か、熱心なエンスージアスト向けのクルマ」に戻っていくのであり、90年代後半にはもうバブルの名残は消え始めてたけど、その時代に向けたスポーツカーを作れてなかったのであり、BNR34FD3Sも然りなのである。

*ポルシェに乗ったら知らないと恥をかく108の大問題
 今BNR34FD3Sのデザインを見直してみると、やっぱ何ちゅーか、走り屋臭さが抜けてないのである。良く言えば若者向け、悪く言えばガキっぽいデザインに見えるのである。50代の上級国民がその2台に乗って高そうなホテルに乗り付ける姿、想像できるだろうかって話である(笑)さて話は変わって、と:

ワタクシの毎日が楽しくなったかと問われたら、答えは「イエス」である(笑)何ちゅーかGT3は「走ってる」って実感があるのである。R35は「安定していて、何時の間にかその速度域」って感じだけど、GT3は「安定していて速度感があって、踏めば何時の間にかその速度域」って感じである。ステアリングの抵抗や、アクセルペダルの重さや、振動の抑制や、そういう数字に出て来ないトコが良く出来てるのである。そりゃファンも多い筈である。

池上彰は左派で、時折ステルスフェイクかますのがアレであるが、でも報道の仕方は嫌いじゃないのである。今話題のロシア云々についても4世紀頃のロシア建国まで遡って「プーチンは何を考えて戦争をするという決断に至ったのか」を述べてたのは良く出来てるなと思うのである。左派でもこういう人ならちゃんと議論も出来るだろうし、意見も参考になるとワタクシは考えるのである。

992GT3ネタは色んなメディアに出てきたが、コレが一番技術面の解説が良く出来てるとワタクシは思うのである。何故フロントサスをダブルウィッシュボーンにする必要があったのか、ウィングをスワンネックにしたホントの狙いは何か、ESPの介入の度合はどんな感じなのか等々。そういう技術系の説明が豊富なのである。感動しただのポルシェの本気を見ただの、そういった感動ポエムには辟易としてただけに、オーナーとしてこういう記事はありがたいのである。

*大人になろう
 話は戻って、この「国産スポーツカー=若者向け走り屋志望者向けのクルマ」の呪縛は非常に強く、ソレは今に至るまで続いてるってのがワタクシの率直な感想である。R35が正にソレだったけど、出た当初は「高い」だの「デザインがらしくない」だの言われてて、チューニングが盛んになってからも昔ながらの走り屋風チューニングを施される場合が大半である。やっぱ何ちゅーか「国産スポーツカーはこうあるべき」って固定概念を顧客もメディアもショップも根強く持っていて、メーカーもソレを無視できないからこそソコに配慮したデザインや仕様になり、結果アンバランスさや妥協が生まれてしまうって感じである。

youtu.be

 「ソレがニッポン独自のクルマ文化なんだ」って言われればソコまでなのであるが、ソレやり続けても先細りするだけだぞってのがワタクシの見解である。もうバブル期のニッポンは戻ってこないし、戻ってこない以上あの時代の様なクルマや、あの時代のような裕福な若者も戻ってこないのである。ワタクシもそうであるが、カネ持ってるナイスミドルは挙って外車に流れて、国産車は86/BRZスイスポみたいなエントリーモデルばっかになって、消えはしないが大幅に廃れるであろう。生き残りたいならば変化を恐れてはいけない、改めてそう思う今日この頃であった。